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「ライフサイクル」提案を白紙撤回させよう!
駅要員のひっ迫を解消するための施策であることは明らかだ!
JR東労組の裏切りを許すな!
「ライフサイクル」白紙撤回へ、07春闘ストをともに闘おう!

 2月15日、JR東日本本社において、「『ライフサイクル』の深度化」に関する団体交渉が行われた。
 この交渉は、昨年10月の提案に踏まえて、11月9日に動労総連合から「申第15号」としてJR東日本に申し入れたものだ。しかしJR東日本は、動労総連合からの申し入れに対して3ヶ月間も交渉を拒否し、ようやく2月9日に交渉を行うという、極めて不誠実な対応を行ってきたのだ。
 しかもその理由は、「『ライフサイクル』提案に関して、改めて検討している」として、「1月末頃に交渉を行いたい」というものであった。しかし実際には、1月末に東労組の交渉が行われ、既成事実を積み重ねた後に動労総連合との交渉を行うという、実に卑劣極まりないやり方が。改めてJR東日本の姿勢を徹底的に弾劾しなければならない!

今後5年間で100名を輸送職に異動

 2月15日の団交の概要は以下のとおり。(回答は裏面参照)

◆「『ライフサイクル』の深度化」を新設する理由。
 「お客様視点の立脚したサービス・業務遂行の必要性」「運輸業務全般に習熟した人材を育成する必要性」「鉄道運行部門税帯の安全レベルの向上を図る必要性」という3点から導入する。通常の駅→車掌→運転士というルートの他に、今回の「ライフサイクル」を加えてスキルアップしてもらい、運転士ー駅の連携を強めることが目的だ。
 例…異常時や車両故障時、サービス面での対応で、運転士経験が生きる
 運転士が乗客と触れることでサービスに対する感性を磨くことができ、様々な職場に行ったときに役に立つと考えている。「運輸のプロ」とは、色々なことをやることによって全てを知っている人を作ることだ。

◆首都圏7支社の運転及び営業関係の要員状況。
 首都圏7支社の運輸及び輸送職は次のとおり。
運転士 5450名
 標準数 4920名
 平成採 2760名
輸送職 1290名
 標準数 1260名
 今後5年間で、輸送職300名が退職する。10年で倍(600名)になる。新採は、年間1400名程度を採用し、この内400名〜500名が運転士になっている。駅で従事する新規採用は考えていない

◆「一定の期間運転士に従事した後」とはどの程度か。
 概ね10年程度がめどになる。

◆40歳までとした理由
 スキルアップをする上で40歳までに駅に行くことが望ましいと判断した。この場合、39歳で駅に行き、44歳で運転士に戻ることもある。

◆人選及び異動人数。
 人選については、年齢も違い一言では言えないが、希望の把握をすることもあるが、通常の任用の基準で行う。
 異動人数は、今後5年間で、年間100名(計500名)を考えてる。5年後は、もう少し人数が増えることになる。

◆勤務箇所及び業務内容、教育。
 ホームの輸送業務のあるエリアで中心となるターミナル駅への配属を考えている。支社をまたぐ場合もある。通勤は配慮すると思うが、それだけではない。教育は、異動先の訓練センターで行う。
 ホーム業務が中心だが、信号や情報整理、サービスマネージャー、指令等も経験することを考えている。「ライフサイクル」に伴う駅での玉突きの異動は考えていない。

◆運転士への復帰を「2割〜6割」とした理由
 自己申告の面談で希望を把握するが、勤務成績等を考慮し、通常の人事異動として行う。

◆運転士復帰後の配属先
 元区への復帰が前提ではない。中には元区に戻る者もいると思うが、それが基本ではない。抵抗感はあると思うが、違う職場で経験を活かすことができる。
 運転士を5年間離れて復帰することは、リスクとは考えていない。

◆賃金及び手当等の取り扱いについて。
 運転士には乗務手当等がついていることは認識しているが、今の段階で、上げるとも、下げるとも言えない。組合側から「一方的に下げることは違法と言われかねない」との指摘があったが、違法と言われることがないようにしたい。

◆今後の駅要員確保の考え方
 今回の施策は、駅の輸送職の単なる補充ではない。今後も必要な要員は確保する。

要員事情=要員のひっ迫状況解消が目的だ

 今回の団交で明らかになったことは、会社は、「輸送職の補充ではない」としているが、会社が提示した表でも明らかなとおり、今後5年間で40歳に達する運転士を、輸送職の欠員補充(5年間で300名)に当てようとしていることは明々白々だ。裏面の回答文書中にも「駅輸送業務に関する要員事情・・・」とはっきり書かれているとおり、要員事情=要員のひっ迫状況を解消することが目的だ。
 しかも「運輸のプロ」なるものの実態は、運転と営業において何でもできる人間、会社にとって都合の良い人事運用ができる体制を作りあげるために行おうとしていることも明らかだ。
 こんなとんでもない制度を01年の段階で組合側から提案しているJR東労組を絶対に許すことはできない。
 「ライフサイクル」提案白紙撤回へ、07春闘ストライキを、動労千葉とともに闘いぬこう!

「『ライフサイクル』の深度化」に関する申し入れ

動労総連合申第15号
平成18年11月9日

1.「『ライフサイクル』の深度化」について、制度を新設する理由及び目的を具体的に明らかにされたい。

 鉄道事業配属採用社員については、「駅→車掌→運転士」と進む「ライフサイクル」を中心とした運用を行っており、車掌・運転士の双方の業務を理解する人材が育つなどの成果が上がっていると認識している。一方、当社にとって一段と厳しさを増す経営環境の下、提示した3つの必要性がますます高まってきている。このため、従来の「ライフサイクル」運用を深度化し、「運輸のプロ」を育成して運転士、駅、指令等に配置することで、安全・サービスレベルのさらなる向上を図りたいと考えている。

2.首都圏7支社における運転関係及び営業関係の要員需給について、具体的に明らかにされたい。

 今後とも、業務運営に必要な要員は確保していく。

3.「『ライフサイクル』の深度化」について、次の点を明らかにされたい。
(1)「一定の期間運転士の業務に従事した後」とはどの程度の期間を考えているのか。

 「任用の基準」に則って取り扱うこととなる。

(2)「40歳までに駅に異動する」とした理由について。

 駅に5年間勤務後、全員が「運輸のプロ」として運転士、駅、指令等の各職場で力を発揮し、スキルアップするための期間を可能な限り長くとるため、40歳を駅への異動の期限とした。

(3)異動にあたっての人選の考え方及び異動人数について。
(4)異動後の勤務箇所及び、業務内容について。

 鉄道事業配属採用社員で運転士職に就いた者について、通常の異動の他に、全員が40歳までに、ホーム業務等の駅輸送業務等に従事することを考えている。

(5)異動にあたっての教育について。

必要な教育は実施する。

(6)5年間勤務した後の運転士への復帰を「6〜8割」、駅等への配置を「2〜4割」とした理由について。
(7)運転士に復帰した後の配属について。

 駅での5年間の勤務が終了した後については、運転士や駅、指令等に配置することとなるが、通常の人事異動と同様に取り扱うこととなる。

4.「『ライフサイクル』の深度化」により営業職場に異動した後の賃金及び手当等について、どのように取り扱おうとしているのか会社の考え方を明らかにされたい。

  本施策に関する賃金等の取扱いについては、成案が得られ次第、別途提案する。

5.「『ライフサイクル』の深度化」は、「営業−章章−運転士」という基準昇進ルートのもとで、営業職場における要員確保・養成がほとんど行われないために要員需給が逼迫するという状況の中で、営業要員の確保を目的とした施策としか考えられないが、今後の営業職場における要員確保の考え方について明らかにされたい。
また、「NF2008における今後の駅のあり方」との関係について明らかにされたい。

  本施策の趣旨は、駅輸送業務に関する要員事情の改善を図ることではなく、「お客さま視点に立脚したサービス・業務遂行の必要性」「運輸業務全般に習熟した人材を育成していく必要性」「鉄道運行部門全体の安全レベルの向上を図る必要性」を満たすことである。

6.定年延長及び運転士の高齢者対策について、会社の考え方を明らかにされたい。

 就業規則等に基づき取り扱うこととなる。

7.「『ライフサイクル』の深度化」提案を撤回すること。

 本施策は、提示した3つの必要性を満たすために効果的な手段であると考えており、撤回する考えはない。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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