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03春闘の高揚でベアゼロ回答打破

終身雇用制の解体、定昇廃止、賃下げを許すな

賃下げを宣言した日本経団連

 03春闘は戦後史を画する歴史的転換点の春闘となった。日本経団連の出した「経営労働政策委員会」報告はもはや万策つきた日本資本主義がその生き残りをかけた労働者への全面攻撃の宣言である。
 まずその報告では第一に、 「構造改革の遅れによるわが国の国際競争力の劣化は、国の存続にかかわる深刻な事態」と国の危機をあおり。そして、国家の存続のためには労働者の犠牲は止むを得ないという論理を振りかざしている。また、これからの労使関係に言及して「労組が賃上げ要求を掲げ、実力行使を背景に社会的横断化を意図して『闘う』という『春闘』は終焉した」「賃上げは考慮の外、論外」「春闘から春討へ、議論すべきは定期昇給の見直し」を打ち出している。
 しかもその原案では「賃金は発展途上国なみまで引き下げる」としているのだ。

相次ぐ定昇廃止、賃下げ攻撃

 これを受けて各企業では賃金引き下げの動きが大手を振ってまかり通っている。
 2月13日、三菱自動車では定昇を全廃することで労使が合意したと発表された。ホンダもすでに定昇を一部廃止したと報じられた。電機でも富士通が定期昇給分にあたる基本給の増額幅を圧縮する実質的な賃下げを提案することを決めた。他の電機の企業でも実質的な賃下げに踏み切ろうとしている。日立製作所では昨年、春闘が決着したあとに「春闘とは切り離した業績回復のための緊急措置」と称し度そのものを見なおす提案を行なおうとしている。
 こうした中、電機連合はすでにベア要求を放棄している。昨年の過去最高益を更新するというトヨタでもトヨタ労組はベア要求を見送った。資本は労働組合の裏切りをテコに定昇廃止、賃金切り下げの攻撃を貫徹しようとしているのだ。

定昇廃止は終身雇用制の解体

 こうした定昇制度の廃止は年功序列賃金の廃止、終身雇用制の解体へとつながるものである。
日本経団連はまた、報告の中で「多様な働き方を工夫し、適切に組合せることによって、景気変動にも柔軟に対処し、過剰な雇用を抱え込むリスクを回避し」
「多様な事業・生産体制のもとで多様な雇用形態の組合せ」を図れとしている。つまり、大多数の労働者を不安定雇用にするということである。01年の賃金事情によれば、正規雇用全体では565、2万円なのに非正規雇用になると146万円と約4分の1になってしまうのだ。定昇廃止の行き着くところは、終身雇用制の解体、労働者の非正規雇用化と貧富の差の拡大なのだ。
 JRでも昨年はJR全社でベアゼロ回答が行なわれた。そして、貨物では賃金制度の白紙見直しが提案されようとしている。東日本では退職制度の見直しと称して50歳以上の労働者を会社から叩き出し、設備の外注化から駅、車掌の外注化とあらゆる部門をアウトソーシング、非正規雇用労働に置き換えようとしている。アメリカの労働者は、「ダブル・ジョブ」「トリプル・ジョブ」と言われ、労働者が二つも三つも仕事をかけもちしなければ生活できない状況に追い込まれている。日本経団連の報告は日本の労働者をこうした状況に追い込もうとしているのだ。

全労働者の怒りの決起をかちとり、03春闘に勝利しよう!

 動労千葉は02春闘でベア要求を放棄したら次には定昇に手が付けられると訴え、72時間ストライキに全力で決起した。歴史的転換点の03春闘に全力で決起しよう。
 労働者が団結し、日本の資本主義を打倒する闘いなしに労働者の賃金は最低にまで引き下げられ、生きる権利さえ破壊されてしまう。動労千葉は、03春闘に全力をあげて立ち上がる。生活破壊を許すな!大幅賃上げをかちとろう。イラク反戦闘争を闘う全世界の労働者と団結して闘おう。組織強化・拡大を軸に03春闘勝利へ突き進もう! 

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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