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雇用・賃金・権利すべてが解体される!

労働者の未来を売り渡した

東労組・革マルの裏切り


過去最高の利益をあげた東日本
 JR東日本は3月期決算で過去最高の利益を見込んでいる。人件費削減等により、経常利益は60%増の1420億円に達する見通しだという。
 JR東日本はこの見通しを3月27日に記者発表したが、その同じ日にベアゼロ回答を行い、そしてJR東労組は「持ちかえり検討」すらせず、その場で裏切り妥結したのである。
 合理化−要員削減などによってこの1年間で人件費は実に260億円も減少している。JR東日本は労働者から搾りとってボロ儲けしているのだ。にもかかわらずベアゼロ、そして組合は会社と手を結んで言われるがまま。どんなおこぼれを貰っているか知らないが、こんな悪どいやり方があるか!
 JR東日本は東労組が何でも丸呑みするのをいいことに、過去最高の利益をあげようが何があろうがもはや今後は賃金など上げないと宣言したのだ。「ニューフロンティア21」が言うように、「完全民営化」を契機として弱肉強食・優勝劣敗の論理をふりかざし、利益率の最大化だけを追求して突き進もうというのだ。ここに示されているのは、労働組合が会社の手先となり、ドレイとなったとき、労働者はどのような目に合うのかということである。

賃金・雇用・権利−全てを売り渡した!
 会社が最高益をあげている状況のなかで組合が会社の言いなりにゼロ回答を認めたということは、来年以降はもはやベアなど問題にもならないということである。ベアゼロ妥結の影響は到底今年度だけにとどまるものではない。はっきり言えば、JRに働く労働者の今後の賃金・雇用・権利すべてを打ち砕くような意味をもっている。それほどの大裏切りだ。
 よく考えてほしい。仮に定期昇給だけは今後も維持されるとしても、わずか1.95%だ。若い者など定期昇給がある55歳までに賃金は幾ら上がるというのか。しかも昇給分の3割は「第2基本給」とされ、退職金の計算からは除外される。退職金もわずかばかりの雀の涙になるということだ。
 だが実際は絶対にそれだけではすまない。今年ベアゼロを容認したら今度は定期昇給に手がつき、さらにこれまでの賃金制度そのものが解体され、全面的な賃下げが襲いかかるのは目に見えている。

賃下げまで容認!
 すでにそれは始まっている。JR西日本はすでに賃金制度を抜本的に変えており、来年4月からはJR貨物が「賃金制度を白紙的に見直し、基本給を廃止して成果主義賃金とする」と提案しているのだ。東労組はこうした事態を百も承知の上で、その露払いとしてベアゼロを容認したのである。
 西日本の場合、賃金制度を変えた結果、平均の昇給率はわずか1.1%になってしまった。会社は導入にあたって、「努力した者が報われる賃金制度」だとか、きれいごとを並べたが、圧倒的多数の労働者にとっては賃下げになったのだ。当然のことだ。会社が賃金制度を変えるのは総額人件費を切り下げるためであって、それ以外の理由などないのだ。

「ニューフロンティア21」で賃下げが襲いかかる
 実際JR東日本もニューフロンティア21で「人事・賃金制度の全般的な見直し」を打ちだしており、東労組はこれに全面賛成・積極推進の立場を公言している。東労組はベアゼロどころか、今後の賃下げまで含めて会社に全面協力を誓っているのである。
 今春闘でも、民間の中小などではストライキに起ちあがり、赤字でも堂々とベアをかちとっている組合が多くある。東労組は労働組合らしく闘えば間違いなく勝ちとれる課題まで放棄し、JRで働く労働者の未来を売り渡したのだ。断じて許すことはできない。

 
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