鉄建公団訴訟-3・25反動判決を弾劾する

鉄建公団訴訟
3・25反動判決を弾劾する!

 3月25日、東京高裁第17民事部は、鉄建公団訴訟(国労第一次訴訟)の控訴審判決を言い渡した。05年9・15一審判決を踏襲した反動判決だ。

断じて許せぬ反動判決

 判決は一審と同様、「採用候補者名簿」作成にあたり組合所属による不当労働行為があっとしながら、「不当労働行為がなければ本件解雇もなかったということはできない」「不当労働行為がなかったと仮定しても、JRに採用されたはずだとの証明がされていない」「解雇の無効に係る主張は前提を欠く」などと言って解雇を容認した。そして、「不公正な選考によって採用の可能性が侵害されたこと」への「精神的損害の賠償」と称して慰謝料550万円の支払いだけを命じたのだ。
 さらに、「停職6ヵ月以上、または2回以上」という「採用基準」で不採用とされた者については、「同基準は明確なものである」と言って一切の訴えを棄却した。動労千葉の9名の仲間たちは全員この「基準」を理由に採用を拒否されている。それを「合理的」だと称したのだ。
 そもそも最大の問題は「一旦全員解雇-選別雇用」という仕組みをつくった「国鉄改革法」そのものにある。それによってやりたい放題の不当労働行為、組合潰しの嵐が吹き荒れたのだ。それ自身が明白な憲法違反だ。だが判決は、国家的不当労働行為を司法の名をもって追認した。
 われわれはこの政治的反動判決の全てを絶対に許すことができない。不当労働行為があったとしながら平然と「解雇は有効」などと言うのは、まさにペテン師の繰り言に他ならない。停職不採用基準について、どのような組合潰しの攻撃が吹き荒れたのかを一切見ようとせず、「明確な基準だから合理的」などというのは理屈にすらなっていない。「明確」に決めさえすれば何でも「合理的」だとでも言うのか。

「新自由主義」の正当化

 中曽根が「国鉄労働運動を潰し、総評・社会党を潰すことを明確に意識してやった」と公言しているというのに、そうした意図のもとにつくられ、実行された国鉄改革法とそれに基づく採用差別を合憲だとするのは、労働者や労働組合には権利などないと断じたに等しいものだ。
 3・25判決に込められているのは、国鉄分割・民営化攻撃と、それから20年の間に労働者を襲った事態の全てを正当化しようという政治的意思に他ならない。判決には、「分割・民営化に反対した以上勤務評価が低くなるのは当然のことだ」という主張が延々と書かれている。不当労働行為を認めたというのも「やり方がちょっと乱暴すぎたね」というレベルのことでしかない。ただそれだけのことで、国鉄分割・民営化攻撃を正当化し、闘いに終止符を打ち、毒饅頭を食わせて、労働者の権利を打ち砕こうというのだ。
 われわれは、今労働者が置かれた現実を真正面から見すえなければならない。国鉄分割・民営化の結果、労働者をどんな攻撃が襲うことになったのか。一千万人もの労働者が非正規職に突き落とされ、昨秋からだけでも200万人に及ぶであろうといわれる「派遣切り」の嵐が吹き荒れている。99年、04年の派遣法改悪などまさに労基法-憲法違反だ。3・25高裁判決は、国鉄改革法=国鉄分割・民営化を正当化することをもって、こうした一切の攻撃を正当化する意図をもって出されたものだ。
 「国鉄方式」を模倣して360万人の公務員労働者を一旦解雇し、選別再雇用するという究極の民営化=道州制導入攻撃が始まろうとしている。「良質な公共サービス」などと言いながら無数の労働者の首を切り、雇用と権利を解体して最悪の労働環境に突き落としていくという転倒した世界が生まれた。3・25判決は、これから労働者を襲おうとしているこうした攻撃を全て正当化しようとするものだ。

今こそ原点に返ろう

 一方、3・25判決は、4者4団体の「政治解決」路線の根本的な誤りを改めて突き出している。解雇撤回要求を取り下げ、自民党や民主党や公明党や連合に泣訴し、動労千葉をはじめ、4者4団体路線に反対する者を排除するために機動隊まで要請し、22年間不屈に闘い続けてきた闘争団員に絶対「解決」するかのような幻想を煽って絶望に突き落とし、それで一体何が残ったというのか。自ら団結を壊し、闘いを低め、もうこれ以上後退するところのない所まで行き着いてしまっただけのことではないのか。国労委員長の仕事が、自民党や公明党や連合に媚を売るだけになっている現状をどう思うのか。同じ誤りを何度繰り返すのか。何で「政治解決」だとか、裁判の結果だとか、狭い視野からしかものを見ることができないのか。自らの闘いを信じ、全国の労働者の団結した闘いの力を信じて、その先頭に立つことができないのか。
 今こそ原点に戻らなければならない。国鉄分割・民営化を突破口として始まった新自由主義攻撃は完全に破産し、支配階級は大恐慌の前に震え上がっている。社会には怒りの声が満ちている。JR体制もガタガタだ。1047名闘争がいよいよその力を発揮し、全ての労働者を団結させる先頭に立たなければいけない情勢だ。大きな可能性を秘めた事態がやってきたのだ。今こそ原点に返り闘いを再構築しよう。