安全運転闘争介入事件第9回審問行われる

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安全運転闘争介入事件第9回審問行われる(8/29)
会社側・西田証人
多発するレール破断や羽越線事故について、会社の責任を一言も触れない不誠実な証言に終始

安全を処分したJR東日本を絶対に許すな!

 8月29日、14時から、千葉県労働委員会において、「安全運転闘争介入事件」の第9回審問が開催され、各支部からの傍聴者が注視する中、会社側・西田耕太郎証人(当時・千葉支社人事担当課長)に対する会社側主尋問及び、組合側反対尋問が行われた。

あらかじめ「違法」と決めつけて、組合活動に介入

 会社側主尋問では、安全運転闘争を「違法争議」と決めつけた上で、安全運転闘争を行う動労千葉の運転士に対する警告や点呼時の指示については、「『違法争議』を未然に防ぐこと、厳正に対処することを示した」と証言した。これは、警告や点呼時の指示を無視して安全運転闘争を行ったら処分で臨むということをあらかじめ考えていたということだ。
 さらに、「事情聴取」の目的として西田証人は、「本部役員は安全運転闘争の決定にへの関与の確認を行い、1分以上の遅れがあった12名については、列車の遅延状況の確認と、本人に弁明の機会を与えた」と証言した。しかしこれは、動労千葉の執行委員会でどのような議論が行われ、決定したのかという部分にまで踏み込むものであり、明らかな支配介入であり、それを勤務時間中に公然と行うこと自体不当労働行為そのものだ。それを開き直って証言すること自体絶対に許すことはできない。
 また、「処分」については、「会社の管理権を一時的に排除して組合の管理下に置いたから違法」だとして、規程や業務命令に違反するから、「本部役員」及び「列車に1分以上の遅延が生じた者に限定」して処分を行ったと証言した。争議行為を一方的に「違法」と決めつけ、「業務命令違反」だとして処分を乱発すること自体違法・ 不当であり、絶対に許すことはできない。

「一企業一組合は知らない」と開き直りの証言

 組合側の反対尋問では、まず経歴の確認から始まり、組合への加入では「JR東労組に加入していた」と証言。そしてJR東労組はどのような組合かを質したところ、「JR東日本と『労使共同宣言』を締結している組合」であると証言した。
 一方、動労千葉からは強制配転者の原職復帰の問題が未だに解決していないことを指摘すると、「私は団交に出ていないから知らない」などとシラを切る証言を行った。。動労千葉との間で最大の紛争事案になっている強制配転問題を「知らない」と回答すること自体、動労千葉に対する敵視を物語るものであり、絶対に許すことはできない。
 また、この間、「木更津支部脱退強要事件」や「褒賞金支払い事件」について会社側の不当労働行為が認定されたことについて会社としてどのように対応し、現場に周知したのかを質した。西田証人は「事件が確定したのは承知している。『勤労速報』で現場に周知した」と証言。しかし各現場にはそのような掲示は一切出されていない。
 さらに住田元社長らが「一企業一組合」を公言していたことを指摘したところ「事実は知らない」と開き直りの証言を行った。公に発行されている紙面に「東鉄労(現JR東労組)を中心とした一企業一組合」と書かれているにもかかわらず、それすら認めようとしない、極めて不当な証言だ。
 その後、安全運転闘争に関する尋問にうつり、まず、スト時には駅等で放送が行われるが、会社が「違法」としていた安全運転闘争では駅で全く放送していなかったことについて、「知らない」と証言。そもそも会社として遅れも含めて問題にしていなかったことを物語るものだ。

安全の崩壊をもたらしたJR東日本の責任は重大だ

 また、添乗者については、全ての列車に乗車したわけではないこと、「事情聴取」での弁明の際、立会人を付けなかった理由等を質したが、事実の確認であり立会人は必要ないとの証言に終始した。
 さらに、そもそも安全運転闘争がレール破断や尼崎・ 羽越線事故を契機に実施されたことを確認すると、「動労千葉がレール破断を指摘していたことは承知している」と証言。その上でレール破断の発生という事態に対する考え方を質すと、「レール破断はないほうがよい」「定期的に交換している」と証言した。しかし、レール破断が多発し、動労千葉の安全運転闘争後、例年にないレール交換を実施したことは明白であり、JR東日本による設備関係の業務外注化による検査周期の延伸等が原因であることは間違いないのだ。
 そして、西田証人が「定時運行」という言葉を多用したことをに触れ、羽越線事故が「定時運行」を強調するあまり、暴風雪の中を走ったため手に起きた事故であることを指摘すると、「異常気象の中で発生した事故だ」との証言を行った。異常気象の中を走らせたJR東日本の責任については全く触れないという、不誠実な証言に終始し、証言を終えた。
 次回審問は、12月15日(月)、15時から、大川信典証人(当時・千葉支社運輸部担当部長)に対する会社側主尋問及び、組合側反対尋問が行われる予定。
 反合・運転保安確立!不当処分撤廃!組織強化・拡大に向けて闘おう!

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