総武緩行・快速線で、今年度 140箇所(約10㎞)レール交換を確認

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千葉以東も約10㎞のレール交換!

7月1日の団体交渉で、今年度中に、総武緩行・快速線で、140箇所/約10㎞、千葉以東のローカル線区でも、約10㎞、同程度の規模のレール交換を行うことを確認した。1年を通して、まさにこれまでなかったような大規模なレール交換工事が行われることになる。
レール破断の多発以降、1年半にわたる闘いでようやくここまでたどりついたのだ。これは組織をあげて闘いぬいてきた大きな成果だ。
だがこれは、JRの安全が危機的現状にあるということでもある。闘いを止めるわけにはいかない。

根本的解決ではない

未だこれは根本的な解決ではない。
▼レール破断という異常事態が頻発するに至った原因は何なのか、▼なぜ破断するまで、事前に把握することができなかったのか、▼なぜあそこまでレールがボ ロボロになるのか───こうした根本的問題は今も何ひとつ明らかにされていない。明らかにしないどころか、ひたすら隠そうとしているのが千葉支社の現状 だ。

未だ隠ぺいに終始

動労千葉のホームページを見て、京王電鉄の方から憤りのメールが届いた(別掲参照)。千葉支社はこうした技術的な基準 に照らした現状すら一切明らかにしようとせず、「レールとフランジが馴染んでいるだけ」「通常おこりうる傷」などと繰り返し、「『折損『と言うな、言い方 は『損傷』『ひび』に統一しろ、レール破断の口が開いた写真はマスコミに渡すな」と隠ぺい工作までしているのだ。

レール破断に至る傷!

千葉支社管内で多発しているレールの傷は恐ろしい性格のものだ。それは鉄道総研のレポートにも上のように書かれているとおりである。抜本的な安全対策が必要だ。

 

鉄道総研のレポート
日本の高速鉄道におけるレール損傷の中で、特に問題となっているのはシェリング傷である。その発生や成長過程については、これまで多くの調査・研究がな され、かなりの知見が得られている。シェリングは、車輪から被る転がり接触疲労により発生し、水平裂が雨水の助けを得て成長し、その極く一部においてき裂 の分岐が起こり、横裂になってレール折損に至ることが知られている。また水平裂の大きさと横裂の大きさの間に相関は無く、き裂成長メカニズムも異なる。し かし、傷の成長速度については、ほとんどわかっていない。
 京王電鉄保線職場の労働者からのメール 日々のたたかい大変ご苦労様です。
私は京王電鉄の保線職場ですが、「日刊動労千葉」の「レール磨耗11ミリ」について、当局が「基準値内」と発言していることに対し、強い憤りを感じました。
京王電鉄工務部の「線路整備心得」では、本線レールの「レール更換目標値」は9ミリ。「レール更換基準値」は13ミリです(ちなみに保線では「交換」で はなく「更換」といいます)。この「レール更換目標値」というのは、単なる目安ではなく、通常の保守としてはこの値を超えてはならない、という保守基準と いう意味です。「レール更換目標値」とは、本線レールにおいてはこの数値を絶対に超えてはならない限度値(限界値)ということです。
また急曲線(通常 半径300m以下)では、レール外軌の内側側面の磨耗が進みますが、9ミリに達する程度でレール側面に段差がつくなど、目視においても異常が分かります。 その意味で、11ミリの磨耗で「基準値内」とは絶対に言えません。即日、当夜の緊急線閉でレール更換をしなければならないはずです。千葉支社が慌ててレー ル更換をしたのは当然と言えます。
その他、「レール使用限度」として、以下の点が並記されています。ひとつは、「レール磨耗や腐食等による断面積の縮小」が60キロレールで、「レール更 換目標値」は18%、「レール更換基準値」は26%。50Nレールで「レール更換目標値」は16%、「レール更換基準値」は24%となっています。
また、「波状磨耗の波高が1・5ミリに達したもの」(レール頭面の波状磨耗の波高=高低さ)とあります。
以上、「日刊動労千葉」のレールの写真及びレール断面図から、「レール使用限度」を超えている可能性があると考えられます。
このレール保守基準については、JR総研で研究されているものが私鉄にも適用されているものです。JRの保守基準についてもほぼ同様ではないか、と考え られますが、具体的な保守基準の数値について、JRの保線の現場に協力をあおぐのが良いのではないでしょうか。
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