運転士登用差別事件控訴審 第1回公判開かれる

運転士登用差別事件控訴審 第1回公判開かれる(8/27)
田中委員長・関君が感動的な意見陳述で登用差別の実態を訴える!

裁判所は、予断を捨て、全証拠・全証言を徹底的に検討しろ
-その中に不当労働行為の真実がある-

 8月27日、14時から、東京高等裁判所822号法廷において、「予科生等運転士登用差別事件」の控訴審第1回公判が、動労千葉弁護団及び当該予科生、各支部からの傍聴者が結集する中で開催された。
 控訴審第1回公判において動労千葉からは、田中委員長、予科生当該の関道利君が意見陳述を行い、JR東日本による差別の実態と非人間的な扱いに対する怒りを叩きつけるとともに、高裁に対して事実に基づく正当な判断を下すよう強く訴えた。

単純・明白な事実の中にこそ、差別事件の本質がある

【田中委員長の意見陳述(要旨)】
 これほど露骨な組合差別、不当労働行為はない。これが不当労働行為でなければこの世に不当労働行為など存在しなくなるほど露骨な差別事件だ。
 第1に、JR発足から21年間、動労千葉に所属する予科生だけが一人も運転士に発令されていないこの単純かる明白な事実の中にこそ予科生等運転士登用差別事件の本質がある。予科生達は運転士になることを希望して国鉄に就職しすでに30年が経つが、明確な説明もなく発令されない状態が延々と継続していることは異常であり、これが不当労働行為であることは明白だ。
 第2に、分割・民営化から今日に至るまでの全課程が、動労千葉や国労を弱体化するための不当労働行為意思に貫かれていた。「国労を潰すことを明確に意識してやった」という中曽根元首相の発言やJR幹部の発言に明確に示されている。87年4月から88年4月にかけて98名の動労千葉組合員が強制配転された。運転士登用差別は、こうした露骨な組合弱体化政策と一体のものだ。
 第3に、会社は、車掌→運転士という「昇進基準」を経ていないことをあげ、中労委や東京地裁も無批判に会社主張を採用しているが、会社主張は完全なペテンだ。
 団交で会社は一度もこのような主張をしたことはなく「任用の基準」を繰り返すだけだった。また車掌の「補完教育」も本件の過程で初めて聞いたもので、会社は最初から予科生らを車掌にする気がなかったということだ。それほど露骨な組合差別が貫かれたということだ。
 第4に、動労水戸の事件では組合側の主張が維持され、現在最高裁で判決待ちになっている。JR東日本では千葉と水戸で全く同じ運転士登用差別が行われ、ここに会社の不当労働行為意思が明確に示されており、水戸の事件では不当労働行為が明確に判断されている。
 最後に、裁判所は、予断を捨て、全証拠・全証言を徹底的に検討すべきだ。その中に明白な不当労働行為であることが、一点の曇りもなく明らかになると信じている。
 誇りある一人の労働者がこれほどの年月にわたりこのような扱いを受け続けていいはずがない。このような現実にもかかわらず仲間を信頼して団結するという、労働者にとって何よりも大切なことを貫き通している組合員を心から誇りに思っている。それは、人道にももとる不当な差別を続けるJR東日本に対する腹の底からの怒りと表裏一体の思いであり、このようなことは断じて許すことはできない。事実を事実として虚心坦懐に見て、正当な判断をされるよう強く要望する。

労働者の誇りを踏みにじる極めて卑劣な行為だ

【予科生当該・関 道利君の意見陳述】
 私たちはこの20年間、所属していた運転職場から駅、売店等に強制的に配転され、「塩漬け」にされてきた。ここ数年で電車の検査・修繕職場に戻ることができた者がいるとはいえ、差別は今も続き運転士への道は未だひらかれていない。JR東日本は「社員を大事にする」と言うが、私たちに対しては、組合所属に基づく差別を行い、労働者としての誇りを踏みにじる卑劣な行為が行われてきた。これは、自分自身の存在が否定されてきたに等しいことだ。
 今でも職場では公然と組合差別がまかり通り、脱退強要が行われ、争議行為への介入が露骨に行われて処分が乱発されるなど、動労千葉に対する差別が続けられている。
 一方、JR総連に所属する者らは次々と運転士に登用されてきた。この一点で私たちに対する運転士への登用拒否が差別であり、不当労働行為であることは間違いない。 私は、1989年に行われた車掌の補完教育を希望し、千葉支社において面談を受けたが、この中で「ストライキについてどう思うか」という趣旨の質問が行われた。補完教育で組合活動に関する質問が出ること自体不当労働行為だ。結局、会社は、組合活動を理由にして補完教育を希望した私たちを候補者から落としたのだ。
 こうした事実を東京地裁の段階でも証言したが、これらを無視した東京地裁判決は絶対に間違いであり許すことはできない。
 裁判所においては、私たちの希望が叶えられるように慎重に審理を行い、正当な判断が下されるよう、切に要望する。

 以上のとおり、二人の意見陳述は極めて感動的で、法廷を圧倒するものであった。
 勝利判決獲得へ、全力で闘いぬこう!
 次回公判は10月22日、10時からの予定。