事実を無視した千労委の反動命令を弾劾する!

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幕張支部・ライフサイクル配転差別事件
事実を無視した千労委の反動命令を弾劾する!

 3月29日、千葉県労働委員会は、「幕張支部・ライフサイクル配転差別事件」について、動労千葉の救済申し立てを「棄却する」との反動命令を交付してきた。
命令の内容は、JR東日本の主張をそのまま羅列しただけの極めて形式的な内容であり、「救済命令」にすら値しない反動的な内容だ。
今回の千労委による反動命令は、JR東日本が進めようとしている検修・構内業務の全面外注化に反対し、10年以上にわたって阻止し続けてきた動労千葉の 闘いを、労働委員会の「救済命令」という形をとって押しつぶそうとするものであり、絶対に許せるものではない。
動労千葉は、千労委の反動命令を徹底的に弾劾するとともに、中労委における再審査段階での勝利に向けて全力でたたかいぬくものである。

組合=支部破壊には一言も言及せずに棄却命令
 千労委命令の概要は、以下のとおり。
【幕張支部役員に対する配転について】
① 会社は、本件配転について、派出所での定年退職の補充であると説明する。派出所では、09年度9名、10年度6名が定年を迎える。09年9月時点で、 派出所に過員はいない状況であり、本件配転は、定年により退職する者の補充のため業務上の必要により行われたとする会社の主張には一定の理由がある。
② 吉野副支部長の配転について
吉野副支部長が、管理者から、57歳なので配転はない旨告げられたと主張するが、この管理者がどのような立場で、どういう状況で、どのような趣旨で告げたのか具体的な主張はない。
また、鴨川派出と近隣の館山派出で要員操配を行っており、鴨川の予備要員を要請しなくとも対応が可能であったため、鴨川派出の予備要員を養成せずに唯一の要員である吉野副支部長を配置転換したのであるから組合の主張は採用できない。
③ 高田書記長の配転について
会社は、千葉派出予備の高田書記長ともう1名の勤務年数を比較し、高田書記長が14年、もう1名が5年であったため、勤務年数が長い高田書記長を人選したから、人選に不合理はない。
④ 小沢副支部長の配転について
会社は、構内・仕業検査の内、構内は配転の対象者としないとしていたが、小沢は仕業検査を担当していたから、構内・仕業検査であった小沢副支部長の配転が不自然だとは言えない。
⑤ 内田執行委員の配転について
組合は、派出所では、担当する線区の車両全てを修理しなければならず、新形式車両の検査を行ったことがない内田執行委員を配置転換することは不合理であ ると主張するが、新形式車両の検査と従来車両の検査とでは作業内容に大きな変化はなく、内田執行委員の配転後も、新系列車両の検査に支障があったとの報告 もない。
⑥ 鈴木執行委員の配転について
組合は、鈴木執行委員が新形式車両の検査を行ったことがないと主張するが、新形式車両の検査と従来車両の検査とでは作業内容に大きな変化はなく、鈴木執行委員の配転後も、新系列車両の検査に支障があったとの報告もない。
また、鈴木執行委員の幕張車両センターでの勤務年数が5年で長くない旨主張するが、会社は、配転に関する要素を総合的に勘案して人選したのであり、この人選に特段の不合理はない。
⑦ 組合は、派出所への配転対象者が組合役員に偏っていると主張するが、派出所の予備要員や予備の見習に指定された者13名の内動労千葉の組合員が9名で あること、幕張支部3役4名の内3名が配転の対象者となっている事実はあるものの、これのみをもって配転が不当労働行為であるとまでいうことはできない。
従って、本件配転が、不当労働行為には該当しないと判断する。

全てを企業の論理だけで判断した千労委命令
【ライフサイクル深度化による組合員の配転について】
① 会社は、覚書が労働協約であることは認めているが、ライフサイクル深度化による配置転換について、覚書を締結する前から一貫して任用の基準により実施すること、必ずしも労働協約は必要としないことを等を組合に回答している。
② 覚書の運転士等が駅輸送業務に配転となった場合、1号俸を加算する旨の記載については賃金規程に明記され、覚書を締結していない組合にも適用されるこ とから、会社は覚書の内容について賃金規程に明記する必要性を認識していたものの、ライフサイクル深度化による配置転換の根拠については、覚書を締結する 以前から任用の基準で実施することや必ずしも労働協約は必要ないことを組合側に回答していることから、会社は、就業規則により配転が可能だと考えていた。
③ 会社が、就業規則で配転できると考えていたにもかかわらず、あえて覚書を締結した理由は十分な主張だとは言えないが、ライフサイクル深度化による配転 は、平成採からも反対の声があったことはうかがわれ、会社が、動労総連合を含む組合の理解と協力を得たいとして団交を重ねた結果、合意した組合と覚書を締 結したとしても不自然ではない。
④ 労働者を企業組織の中でどのように活用し統制するかについては使用者にゆだねられた経営上の裁量判断に属する事項とされ、会社の施策が不合理であれば 権利の濫用と判断される余地もあるが、ライフサイクル深度化の施策が不合理とまでは言えず、会社は、ライフサイクル深度化を行うため、就業規則28条の 「業務の必要」により配置転換を行うのであるから、組合の主張は採用できない。
⑤ 組合は、「通常の異動の他に」という文言があることから就業規則を根拠に配転はできないと主張するが、会社は、ライフサイクル深度化を理解してもらう ためにわかりやすい表現として「通常の異動の他に」という文言を使ったにすぎず、就業規則28条の転勤に含まれると証言している。
会社は、覚書締結以前から就業規則を根拠としてライフサイクル深度化による配転は可能と判断していたと推認されるから、「通常の異動の他に」という文言をもって就業規則が配転の根拠にならないとは言えない。
⑥ 滝、北嶋は青年部活動への影響が大きいと証言するが、どのような影響があったか等の疎明はない。
従って、ライフサイクル配転は、不当労働行為に該当しない。

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