軽井沢スキーバス事故 ― 過酷な勤務「明日はわが身」 規制緩和と外注化が引き起こした大惨事

「尼崎事故」と同じ

1月15日未明AS20160118004287_comm、長野県軽井沢の国道18号線で、スキーバス事故が発生し、乗員・乗客15名の命が奪われ、26名が負傷した。死亡した多くが大学生という凄惨な大事故である。
坂道のカーブを時速100㌔近くの猛スピードで道路から飛び出し、山林に激突して大破したバスの姿は、2005年4月25日に107人の命を奪った「尼崎事故」と全く同じだ。

「安全」も市場原理に

2000年と2002年の道路運送法改悪で、貸し切りバス事業は、これまでの国の「免許制」から、一定の要件を満たした事業者であれば誰でも参入できる事業許可制へと切り替えられた。交通運輸の最大の要である「安全」も、「事前チェック型の行政から、事後チェック型行政に転換する」と称して市場原理にゆだねられた。この規制緩和によって新規参入が相次ぎ、00年度の2864社から12年度4536社に増え、従業員が30人以下の零細業者が88%を占めた。
さらに、バス運転手の平均年齢は48・5歳で全産業の平均42・1歳を上回り、6人に1人が60歳以上だという。

典型的な外注・委託構造

12年4月の7人が死亡した関越道高速バス事故を受けて規制が「強化」されたが、賃金、労働条件はひどくなるばかりだった。〈旅行会社=元請け〉〈バス会社=下請け〉という業界の構図は変わらず、バス会社のダンピング(不当廉売)が横行し、運転手に過酷な業務が強いられ、事故が起きれば労務管理が強化され締め付けられた。
今回の大事故も、「激安」を最大の売りにしたスキーツアーの貸し切りバスだった。ツアーを企画するのは旅行会社が、運転をバス会社に委託する、さらにその間に仲介業者が入る、典型的な外注・委託構造だ。

「大型バスは苦手」
   65歳に深夜運転

事故時の運転手は65才の契約社員だ。昨年12月に採用され、「大型バスは苦手」と伝えたにも関わらず人手不足を理由に、わずか2回の研修で、もっとも危険といわれているスキーバスの深夜運転をさせられたのだ。
さらに法律で義務づけられている健康診断も受けさせていない。バス運転手の健康状態に起因した事故は03年に18件だったのが12年は58件で、9年間で3倍以上にも増えている。
大型運転手はバスに限らず、長時間の過酷な重労働と低賃金で離職率も高い。1年で30%、4年で半分近くが辞める。運転手不足の原因もここにある。

「明日は我が身だ」

「規制緩和後の過当競争で、ツアーの価格を安くするには運転手1人当たりの業務量を増やしたり、高齢の運転手をアルバイトで使ったりして人件費を削るしかない」「格安ツアーはとにかく経費削減。路上駐車で客を乗せ、駐車代を省く。高速道路の料金もルートに応じて上限があり、想定以上に高速を利用して上限を超えると自己負担させられる」(1/19朝日)
こうした規制緩和と外注化・非正規職化によって成り立つ構造が安全を破壊し、多くの若者の命を奪ったのだ。「激務が改善されない限り事故はまた起きる」「明日は我が身だ」と同業のバス運転手は語っている。

闘いなくして安全なし

JRでも外注化で重大事故が多発している。グループ会社では委託費削減で要員が不足し、低賃金による人手不足、訓練・教育不足による労災事故が多発している。そしてダイ改のたびに乗務員の労働強化が進められ、「明日は我が身」だ。
闘いなくして安全なし!第二の分割・民営化攻撃に新たな反合・運転保安闘争をつくりあげよう!

2・14国鉄集会へ!

社会のあり方、労働者が生きていく条件をことごとく破壊する新自由主義の出発点は、国鉄分割・民営化攻撃だった。これと真正面から闘いぬいてきたのが国鉄1047名解雇撤回闘争だ。この国鉄闘争を継続・発展させ、JRの業務外注化を阻止しよう。
2・14国鉄集会を成功させ、国鉄闘争全国運動の新たな発展と、階級的労働運動の再生をかちとろう!

国鉄分割・民営化で  不当解雇から29年
      2・14 労働者集会

◎2月14日(日)午後6時
すみだ産業会館8階サンライズホール (JR錦糸町 駅前の丸井錦糸町店8階)