蘇我駅で、待避遅延の重大事態!特急列車が40m手前で停車!

外注化の結果、誰も責任をとらない体制ができてしまった!

3月28日、外房線・蘇我駅において、ホーム下で作業を行っていた関連会社作業員を侵入してきた特急列車の運転士が発見し、緊急停止するという重大事態が発生した。
京浜東北線・川崎駅事故(2月23日)から1月余りしか経っていない中で発生した重大事態だ。

ホーム進入時、ホーム下で作業中の労働者を発見

当日の概況は、以下のとおりだ。
当日、蘇我駅では、信号設備改良工事(日本電設工業が施工)に伴い、ケーブル収容班とケーブル端末処理班の2班が作業を行っていた。
この内、ケーブル収容班(作業責任者1名、作業員4名、列車見張員2名)は、当初予定していた蘇我駅6番線下りホーム終端付近から外房線にかけての約500m区間における線路脇でのケーブル収容作業を行い、14時20分頃に終了した。
その後、作業責任者は、予定にはなかった蘇我駅5・6番線ホーム下のケーブル収容作業を行うことを工事指揮者(日本電設工業)に要請した。そして、5番線ホーム下で作業責任者と作業員4名がケーブル収容作業を行っていた。
14時32分頃、外房線の特急61Mが進入した際、5番線ホーム下に作業員がいたため、所定停止位置(作業責任者がいた位置)の40m手前で列車を停止した。触車事故にならなかったことは不幸中の幸いだと言わなければならない。

ホームの上と下で位置関係も分からないまま作業を開始

蘇我駅信号設備改良工事に関する体制は、次のようになっていた。
◎工事指揮者(日本電設工業)
◎作業責任者及び作業員4名(大盛電気)
◎列車見張員2名(オリエンタル警備)
JRが日本電設工業に作業を発注し、日本電設工業からはさらに下請けの大盛電気(ケーブル収容)とオリエンタル警備(列車見張り員)に作業が丸投げされる形で作業が行われていた。
そして、当初の予定になかったホーム下でのケーブル収容作業については、作業責任者は工事指揮者に要請を行ったものの、工事指揮者からJRに対する連絡は行われず、JRからの確認もないまま作業が進められてしまった。
さらに、ホーム上の工事指揮者とホーム下の作業責任者及び作業者との間では位置関係や緊急時の連絡体制も確認されないまま作業が開始された。
本来であれば、作業全体の内容や予定以外の作業が行われる場合であっても、その内容についてはJRが全て把握するなり、あるいは報告するようにしておかなければならないはずだ。
しかし、JR側は、特急61Mが停止位置から40mも手前で停車するまで全く事態を把握していなかったということだ。
しかし、こうした事態は、起きるべくした起きた事態であり、京浜東北線・川崎駅事故と全く同じだ。
信号設備という列車を運行するための最重要の設備に関する改良工事でありながら、JRは現場でどのような作業が、何人で行われているのかもわからない状況だったのだ。
鉄道で作業を行う場合、列車の運行状況を細かく把握しなければならない。ほんの少しの油断で事故になってしまうからだ。そのため、鉄道は一元的な管理を行うことではじめて安全が確保できるのだ。
しかし、鉄道業務が外注化されたことによって職場や業務がバラバラにされたため、トータルに責任をとる者が誰もいなくなってしまったのだ。

一元的な管理を行うことで鉄道の安全は確保されている

しかも、こうした重大事態が発生したにもかかわらずJRが行った当面の対策は、関連会社の事故防止会議にJRが立ち会うことと、昼間作業中に安全パトロールを行うというものだ。
今回の重大事態の全ての責任は、鉄道業務を外注化した結果、作業の責任をとる体制や連絡体制がまともにできていない状況の中で作業を行わせたJRにあることは明白だ。
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