第13回全支部活動者研修会報告③ 教育基本法・憲法改悪阻止へ向けて 大内裕和(松山大学)

 第13回全支部活動者研修会の三番目の講演は、松山大学助教授の大内裕和さんによる「教育基本法・憲法改悪阻止へ向けて」を行いました。05春闘と一体の闘いとして、「日の丸・君が代」強制反対、教育基本法改悪阻止の闘いへ起ちあがろう。

「教育基本法・憲法改悪阻止へ向けて」の講義をする松山大学助教授の大内裕和さん

10・23通達と広がるファシズム

教育基本法の改悪は切迫しています、すでにスケジュールが組まれています。「茶色の朝」という本がありますが、茶色というのはヨーロッパではナチスの色、全体主義の色という事です。今、日本で茶色になっているのは東京です。
一昨年出された、10・23通達は、卒業式、入学式の実施指針として出され、職務命令違反には処分が出せるというものです。ここには、教育委員の派遣から座席表に名前まで書かれ、不起立の先生には、現認、処分という形で進行しました。
板橋高校では、9割の生徒が立たないという結果になりました。そして、先生だけでなく、生徒の不起立、保護者の不起立でも先生が処分されるという事になります。また、君が代の声量調査まで行われています。
この事態は教育基本法改悪の先取りであり、教育基本法の改悪は全国が東京になるということです。
治安弾圧の強化が進んでいます。防衛庁官舎へのビラ入れが住居侵入罪になる。イラク派兵反対のビラだからです。今までではあり得ない水準です。それは、日本が参戦しているからです。

イラクへの自衛隊派兵をどう見るか

イラク戦争をどう見るかです。冷戦は、ソ連の崩壊で終わりました。世界は緊張緩和、軍縮へ向かったかというと大間違いです。資本主義 は勝ったのか、グローバル化は中国も市場経済に組み込み、世界大で貧富の格差が拡大しています。9・11はこれぬきには語れません。グローバリズムの批 判、憲法・教育基本法改悪反対の強力な運動を展開しなければなりません。日本が長時間労働、低賃金、QC活動によって国際競争力で圧倒していたときには日 本は海外展開をしていません。プラザ合意によって円が倍以上になり、国際競争力がなくなるという事で海外に進出していきます。そして自分たちの権益を守る ために自衛隊の海外派兵の要求が強まりました。
そして自民党の中で派兵グループが台頭し、反対勢力をつぶすために国鉄の分割・民営化を行い、総評解散、社会党解体へと進んでいきます。

疲弊する教職員と子供

学校現場ではどうなっているのか。疲弊する教職員と子供があります。ゆとり教育ではゆとりにならない。逆に教職員の仕事は増えていま す。疲弊による思考停止とあきらめがすすんでいます。そして教育はサービスになり、学校選択の自由、通学区の自由は小中学校から格差、差別の助長となって あらわれます。「学力低下」キャンペーンは、教職員と生徒を競争に駆り立て、保護者の不安をあおります。
教育委員会は教員と市民・保護者の分断による支配強化をはかっています。そして内面支配装置としての「心のノート」と先生への「人事考課」があります。

教育基本法の意義と与党の「中間報告」の問題点について

今の教育基本法は、個人の価値、個人の尊厳を基盤として第一条の教育の目的では平和な国家及び社会の形成者をうたい、憲法との強い一 体性を持っています。教育基本法の変更は憲法の変更です。第十条では、国家権力・政治権力による教育内容への介入を「不当な支配」として認めていません。 日本国憲法と教育基本法は、権力を拘束する法律をしてあるのです。
戦争をするためのハードシステムはできあがっているが、人間の意識の形成はできていません。教育基本法改悪の本質は、戦争を担う「国民」の育成をめざすことであり、「戦争のできる国家」づくりへ向けての最後の課題となっています。
軍事行動に対する肯定的な国民意識の育成、戦後培われてきた人々の根強い平和意識を払拭する必要があるからです。

今後の課題

教育基本法問題への関心をいかに広げていくかです。まだまだ地味な教育基本法。与党「中間報告」の問題点を広く訴えなければなりません。
その2は、教育基本法改悪の本質を捉えること。その本質は、社会の原理・原則が転換するという事にあります。現場が悪くなるだけではなく、教育基本法が 変わると建前と本質が変わる。平和教育を行うと事件になる。戦争差別を中心に学校が動き出すという事です。
その3は、憲法9条、25条との関係を捉え、子供を戦場に送らないための教職員と保護者の連携を作っていくことです。反戦運動と労働運動の連携も作っていかなければなりません。
国会への上程が見送られましたが、不起立の闘いが上程を決める。この春の不起立闘争を支援したい。
2月6日の総決起集会と5月7日の教育基本法の改悪をとめよう全国集会を行います。是非参加して下さい。

2005年2月11日