東労組を牛耳る革マル同士で、いわばドレイ頭の座をめぐって醜い内部対立をおこし、嶋田らのグループが松崎に蹴落とされ、事実上「粛正」され

革マル結託体制の崩壊が始まった(2)

本部執行部8名が集団辞任

 松崎が嶋田らを追放

JR東日本の革マル結託体制に激震がはしる最中、11月3日にJR東労本部副委員長・嶋田など本部執行部8名が集団辞任するという事態が起きた。

8名はいずれも本部の要職にある人物で、嶋田をはじめ名だたる革マル分子だ。

 嶋田邦彦(副委員長/新潟)
関根一義(副委員長/新潟)
小林信一(労働平和環境調査資料センター室長/新潟)
阿部克幸(組織・研修局長/新潟)
宮坂隆義(同担当部長/新潟)
百瀬篤志(同担当部長/長野)
神田浩一(情宣部長/横浜)
本間雄治(業務部長/横浜)

東労組は7月の大会で新執行部を選出したばかりであり、集団辞任は異常な事態だ。またJR総連本部企画部長、新妻も執行権停止の統制処分にされている。 この辞任劇は結論から言えば、東労組を牛耳る革マル同士で、いわばドレイ頭の座をめぐって醜い内部対立をおこし、嶋田らのグループが松崎に蹴落とされ、事 実上「粛正」されたということだ。東労組は瓦解への道を転げ落ち始めた。東京などでは、すでに東労組の組合員が「お前どっちにつくんだよ」などとささやき 合う状況が生まれている。

 「東京問題」での対立

この分裂は、直接的には「東京問題」をめぐって嶋田ら新潟を中心としたグループが松崎と衝突し、辞任に追い込まれたものだと言われている。
東京問題とは、2月の東京支社人事で、95年の「大宮会議」(東労組内の旧鉄労・社員労グループによるグリーンユニオン結成の事前会議。なお大塚現社長 は当時労務担当重役であり、この会議に係わっていたという噂が流れていた)の出席者が支社担当課長に昇進したことに対して、松崎が数度にわたって東日本本 社に乗り込んで会社の謝罪を迫り、担当課長就任からわずか6ヵ月で関連会社に出向させた事件のことを言う。
その背後にあったのは概ね次のような事態であったと考えられる。

 人事更迭の背景には

周知のとおり松崎は、松田体制から大塚体制への社長交替の過程で「使い捨て」に怯え、会社との関係を維持するために、「JR総連は革マルと関係ない」という運動をエスカレートさせ、革マル本体と割れ、「第二革マル」化するに至る。
松崎の狙いは、JR東海葛西社長とも近い関係にある大塚の社長就任を阻止することにあったが、社長就任後は一転して「勝利宣言」を行い、大塚体制の下での延命を必死で画策する。
一方大塚体制も、当面激甚に労務政策を変えはしなかったが、これまでのように、東労組が人事権に露骨に介入することなどは拒否したと言われている。
これは東労組にとっては組織の存亡に係わることであり、松崎は必死にこれに対する巻返しを狙い続けていた。そして「大宮会議」出席者の昇進ということをとらえて勝負をかけたのである。
それも、やり方は異様なものであった。4月に東京地本の臨時委員会を開催し、「組織破壊攻撃を容認した」という理由で東京地本委員長・石川を更迭し、そ の返す刀で、すでに「顧問」に退いた松崎がしゃしゃりでて、「石川をあそこまで追いやって涼しい顔をしている経営陣は許さない。順法闘争をしてでも認めな い」と会社に迫ったのだ。
松崎は7月7日から開催された東労組定期大会で顧問を退任して、一方会社側は、7月14日に開催された東労組東京地本大会に大川支社長が出向いて謝罪す るという、それ自体尋常ならざる対応をした。だが、会社はこの時点では発令した人事を変えることまでは、企業の根幹に係わることであり拒否していた。

 東労内の「権力抗争」

一方嶋田らは、松崎に対して「順法闘争などと言っても誰もついてこない」と強く反発したという話が伝わっていた。つまり、「人事は会社の専権事項であり 変えられない」という立場を容認したと思われる。嶋田にしてみれば、「松崎後」を見こし「次の委員長は俺だ」という思いで会社との癒着関係をこれまで以上 に深めていたのは間違いない。
これに対し松崎は、顧問を退任するや自らの意向がないがしろにされ、会社からも組合内においてもその権力が失われるという危機感を強め、猛然と巻返しを図ったと考えられる。
顧問を退任した松崎は、7~8月の過程でこんどは東京エリア4地方本部の顧問に次々と就任し、改めて8月14日に大塚社長に人事更迭をねじ込み、9月1 日付で関連会社に出向させ、しかも講演などで「会社に詫びを入れさせた。ダラ幹の垢が相当たまっている奴が本部じゃ何人かいる。ダラ幹の垢を一つ一つ引っ ぺがしていく」などと吹いて回ったのである。そして嶋田らのグループは「権力抗争」に敗け、引きずり降ろされたのだ。

こうした一連の事態が示しているのは、
東労組・革マルが自己崩壊し始めたということだ。