新春インタビュー(上)   田中康宏委員長に聞く 改憲阻止!労働破壊許すな! 勝負の年、2018年を闘いぬこう!

改憲に突進する安倍政権

■きょうは新たな年の課題をお聞きします

 あけましておめでとうございます。
私たちは、戦後70余年の歴史の最大の分岐点に立っています。トランプと安倍は戦争の危機をあおりたて、朝鮮半島への軍事行動にのり出そうとしています。
発展の余地を失った帝国主義の危機が三たび戦争を現実化させようとしているのです。安倍政権の腐敗と反動的突出ぶりは目に余るものです。戦争法や共謀罪制定に続いて「敵基地攻撃能力確立」を叫んで巡行ミサイル等の配備を進めようとしています。労働運動はこの戦争の危機を止めるために全力を尽くして闘わなければなりません。

■安倍政権は憲法改悪に突き進んでいます。

 安倍政権は改憲に向けた具体的な政治過程を強引に進めようとしています。ついに戦後70年以上できなかった攻撃に踏み出したのです。憲法は国の基本法です。安倍政権は戦後的なものを解体・一掃して「戦争のできる国」をつくろうとしているのです。
 2020年に新憲法を施行するとすれば、今年にも発議して国会を通し、19年の参院選には国民投票に持ち込まなければならない。そのために再び天皇を前面に登場させて、あるいはオリンピックを徹底的に利用しようとしています。

■その一方で、政権の腐敗は止まるところを知らず、安倍政権は危機に揺らいでいます。

加計・森友だけでなく、リニア新幹線をめぐる巨額談合も、スパコンの問題も全部安倍政権の側近の手によるものです。腐敗は極まっているとしか言いようがない。しかし、もっと重大な危機が迫っています。今年、日銀が買い続ける国債総額がついにGDPを超えるのです。その額500兆円! 異様な光景です。誰もがこんなことはいつか崩壊すると分かっていながら買い続けるしかない。これが出口を失った安倍政権の現実であり、戦争や改憲を現実化させている根底にあるものです。

■労働運動にとって勝負のときですね。

 「改憲阻止」は、戦後日本労働運動の一貫とした最大のテーマであり、攻防点でした。「戦争だけは二度としてはならない」が原点だったからです。とくに、国鉄分割・民営化攻撃が改憲を目的とした戦後最大の労働運動解体攻撃であったことは周知のとおりです。日本の労働運動にとっては70余年の歴史のすべてが問われる決戦を迎えようとしていることを意味します。安倍政権は連合の中に手を突っ込んで、改憲推進の旗を振らせようとしています。しかし、この攻防の渦中からこそ、労働運動の再生が始まるのだということに確信をもって闘いぬく必要があります。

 「働き方改革」の正体

■安倍政権は、それと一体で、戦後労働法制破壊の最終段階ともいうような攻撃をかけています。

 通常国会に「働き方改革関連8法案」を提出しようとしています。また、「無期雇用転換」をめぐって起きている非正規職労働者の膨大な解雇、無期転換逃れの脱法行為、最低賃金の名ばかり正社員化等の現実の中にこそ、安倍政権が掲げる「働き方改革」の正体が鮮明に示されていると言っても過言ではないと思います。要するに「正社員ゼロ(総非正規職化)、解雇自由」社会をつくろうとしています。果ては「雇用契約に基づかない働き方」と称して、労働者を労基法も労組法も適用されない個人請負事業主にしようとしている。それに加えて、社会丸ごと民営化だとか、社会保障制度や医療・医療保険制度の解体が進められ、「国家にとって役にたたない」と称して地方が叩き潰されようとしています。
でもすべてが限界です。この10年で生産年齢人口が1千万人減り、これからも毎年百万人ずつ減っていくんです。30年続いた新自由主義政策が、「労働力の再生産」すら破壊する驚くべき現実を生み出し、社会が全面的に崩壊しようとしているのです。

■JRでも分割・民営化以来の大再編が始まっています。

 去年くらいから「第3の分割・民営化攻撃」という呼び方をしています。それは、JRを「駅運営会社」「車両検修会社」「保線会社」等にバラバラに分社化し、労働者を転籍に追い込んでいく究極の雇用破壊、労組破壊攻撃です。JR東日本だけでも1万8千人、3人に1人がこの数年の間に退職するという現実を逆手にとって、再雇用の場をめぐって労働者同士を蹴落とし合わせ、「水平分業」=分社化・転籍を自ら認めざるを得ない状況に突き落とそうとしているのです。東労組革マルは「国鉄改革を担った真面目な社員を優先的に残せ」と、かつてと全く同じ構図で対応しています。
さらに「選択と集中」の名の下に、地方路線の全面的な廃線化攻撃、昨年10月の水戸支社のダイ改に示されたような極限的労働強化、グループ会社を含む例外なき大再編―賃金・雇用・労働条件の最底辺化が激しく進められようとしています。

外注化・非正規職化攻撃の 核心を突く闘い

■その意味では、昨年10月に出された強制出向無効確認訴訟の反動判決は重要な意味をもっていますね。

 JRにおける攻撃というだけでなく、安倍政権の「働き方改革」を「合法化」するために出された政治的判決だと考えています。出向について、労働協約も個別的同意も必要ないと言って就業規則を万能化し、仮に偽装請負があったとしても外注化・出向は合法だと断じ、出向に伴う不利益についても「甘受できないほどのものではない」と言い放ったのです。何でもありです。労働局ですら、「偽装請負の疑いが高い」「出向目的もはっきりしない」という指導票を出さざるを得なかったものを全部斥けたのです。
しかし、この判決は、われわれが立ち向かってきたものの大きさを鮮明に示してくれました。動労千葉の小さな闘いによって、JR全体の外注化・非正規職化攻撃をすでに10年以上も前に進むことができない状態に追い込んできたことは事実なのです。しかもその闘いは、外注先会社(CTS)の組織化にまで進み、この2年間にわたる無期転換闘争の中では、就業規則改悪を阻止し、一人の例外もなく全員の無期転換をかちとる闘いにも発展した。闘いはこれからです。

■また重大事故が相次いでますね

 年末に起きた新幹線の台車亀裂事故など本当に深刻な事態です。マスコミは後3㎝で台車枠が破断して脱線の危険があったと報じていますが、あそこが折れていたら脱線どころの話ではない。軸箱が外れて何百㎏もある車軸が飛び出す。高速で走っていたら、車体がメチャクチャに破壊されていた可能性が高い。それにしても、軽量化・高速化のためにギリギリの強度設計だったのではないかと思います。国鉄時代は在来線だってあんな華奢な台車は使ってませんでした。
 しかしJRは、あんな事故があっても、今4人の検査係が泊まっている千葉駅の検査派出を2徹体制にしようとしているのです。2徹では何があっても添乗したり、出動したりすることはできなくなる。すべてが限界をこえて破たんしようとしているのです。

われわれ自身の改憲・戦争阻止闘争を

■闘いの課題についてお聞かせ下さい。

第1の課題は、改憲・戦争絶対阻止に向け、眦(まなじり)を決して立ち上がることです。昨年の11月集会では「改憲阻止! 1万人大行進」を呼びかけ、この時代にどのような運動を組織するべきなのか、社会状況と深く結びついた運動をつくりあげる可能性はどこにあるのか、様々な団体と率直な意見交換を行いました。それは新たな挑戦でした。またそれは、「野党共闘」「立憲主義」にすり替えられることによって、労働者・人民の大衆的な闘いの爆発、ストライキ等の実力闘争を含む闘いの発展が徹底的に抑え込まれていく現状を何としても打破したいと願うものでもありました。
「獲得する力」は現実の運動の中からしか生まれません。われわれ自身の改憲・戦争阻止闘争を何としてもつくりあげたい。動労千葉は小さな力ですが、もう一度全国の仲間たちと繋がって全国に呼びかけたい。
またそれと一体で、労働法制改悪阻止の闘いを全国に呼びかけたい。安倍政権の攻撃が、すべてを粉砕して進む戦車のように社会を破壊しています。分割・民営化から30年、新自由主義が行き着いたのは「全世代が集団懲罰にかけられている」ような社会です。社会の底が抜けようとしているのが現実です。その現実の中からこそ労働運動は甦る。そのことに確信をもって闘いぬきたい。
(次号に続く)

国鉄分割・民営化による不当解雇から31年
2・11国鉄集会

■2月11日(日)15時半
■船橋市勤労市民センター ホール
主催 国鉄闘争全国運動