戦後労働運動史のなかで見る動労千葉外注化阻止闘争 伊藤晃先生 講演(全支部活動者研修会)

 全支部活動者研修会が1 月26日、27日に開催された。1日目の田中委員長の提起に続き、2日目は伊藤晃先生(日本近代史研究者・国鉄闘争全国運動呼びかけ人) に、「戦後労働運動史のなかで見る動労千葉外注化阻止闘争」と題して講演を行っていただいた。以下、伊藤先生の講演を要約する。

外注化の進行とその矛盾

外注化はいろいろな形で進行するが、その中で一番大事な事は資本に対抗する労働者の主体性を押しつぶそうとすること。誇りを奪い去り打ちのめす。労働者をバラバラにして、互いに安売り競争をするような商品として扱えるようにする。こういう労働者が資本にとっては理想的。新自由主義はそれを実現することを究極の狙いとしている。
しかし、それを進めるほど社会に対する指導性は薄弱になって支配の基礎がゆるむ。さらに、その攻撃は労働運動の協力なしには行えない。ここに矛盾がある。
ならば、もし労働組合がこれに対抗出来ればどうなるか、対抗関係を再生させる条件はあるのかが問題になる。

新自由主義時代への推移

1970年代以降に残された日本労働運動には積極的な伝統とその一面に批判されるべき面があった。積極的な面をどのように発展させ、克服すべき点をどう批判していくかが問題。
資本と対立的な面もあると同時に労使協調という面が非常に強い労働運動が、新自由主義の荒波の中に放り出されたときにどうなるか。

動労千葉の外注化阻止闘争

現在の外注化攻撃には、偽装請負、強制出向、労働基準法の無視、労働組合つぶし。あらゆる問題が出てきている。労働運動による告発がなければ、例え不正が社会に充満していても注目をひかない。不正が行われていることに対してどう対抗するのかは、労働運動にしか提起できない。動労千葉は、こういう問題を改めて正面課題にした。現代の労働運動においては希有なことであり、そのこと自体が大きな意味を持った。
闘いの中では団結を守る唯一の道として、資本との非和解の立場、絶対反対の立場を堅持した。外注化・非正規化は労働者の選別雇用と結びついている。条件闘争にすれば労働組合が選別に手を貸すことになる。労働者はバラバラにされる。それに対して、どう団結していくかという発想から生まれた立場。この運動の過程で組合員全員が絶対反対を掲げる意味を理解して行動した。団結をいかに作り出すのかを示した。
そして、非和解のまま、闘争の姿勢を維持して資本に譲歩させられることを示した。合理化、外注化は強行されて終わりではない。本当の攻撃はその後に来る。資本は合理化を際限なく続けなくてはならない。それに対し、動労千葉は団結を固め闘争姿勢を維持した。従来の合理化反対闘争にはないこと。
また、「外注化はやむを得ない」「民営化はいいものだ」といった社会一般の見方と闘った。労働運動の息の根を止めるという資本の戦略に対して、これに真正面から対抗できる労働組合が存在することを示した。そして、労働者の感ずる怒りを労働組合が取り上げて闘うなら、たとえ少数派労働組合でも職場全体を獲得できることを示した。いかに既成の労働組合が屈服しようと、そこに組織されている労働者全体が何も抵抗力がなくなったわけではない。現にこの外注化反対闘争を通じて若い労働者達が結集している。
この闘いを通して、戦後労働運動の積極的な伝統にたち、批判すべき弱点を克服するなら、外注化は阻止できることを示した。大きな合理化攻撃には対抗できないから仕方ないとされてきたが、実際は一つ一つの攻撃は対抗しうるもの。運動の過程で一つ一つ対抗することで、大きな合理化攻撃を突き崩すことが出来ることを示した。