保線の実態-レールが危ない 安全運転闘争が人命を守る!

レール破断が全国で起きている。千葉支社管内では3年連続の発生だ。この間の安全運転闘争によって、「破格の予算」をつけさせ、30㎞にわたるレール交換を実現させたが、根本的な解決はこれからだ。
どこに原因があるのか?「JRのレールが危ない」とする保線現場からの警告が雑誌に掲載されるなど、実態が明らかになりつつある。スピードアップや軽量化車両の問題以外にも、保守部門の全面的な外注化-切り捨てが根底にある。

異常な傷の多さ

保線現場の労働者は告発する。
▼4年前のメンテナンス体制の再構築」合理化によって、いちばん短い期間で、1週間で1回の巡回が、2週間に1回となった。レールの検査は、検査装置を搭 載した探傷車=RIC(レール・インスペクション・カー)を走らせますが、東日本全体を回していって、1年に1回です。
▼いまのやり方は、数値によって判断をするようになってきて、人間の目とか感覚的な判断、経験を重要視しなくしてきています。感覚的な判断より、機械によって出された数値を重視する。
▼レールの傷で一番危険なCCランク(RICで測定した傷が30㎜以下)の場合は、三日以内に継目板を取り付け、10日以内にレール交換を実施する。Cラ ンク(15㎜以上30㎜ミリ未満)の場合には、3日以内に継目板を付けて、1ヵ月以内にレール交換、15㎜未満の傷ならBランクで1ヵ月以内に継目板を付 けて、あとは計画的にとなる。
▼Cランクの傷は、あまりに多くてすぐにやるだけの人がい
ない。浅草橋~稲毛間では、700箇所以上あった。CCランクは緊急だから期限内に交換したが、Cランクは数が多すぎて本当は一ヵ月以内に交換しなければならないのですが、年度末まで延ばされた。
▼破断にまで至らなくとも、最近のレールは傷がすごい。コストを考えてギリギリまでレール交換をしないということもありますが、それでも最近の傷の多さは異常です。
▼最近はレールの減り方が早い。そのうえ均一に減っていかない。なにかデコボコしたような荒っぽい削られ方が目に付くんです。レールに優しい減り方じゃない。強引に削ったような傷が多い。
───等々、ここにはレールの酷さ、目視によって危険箇所を発見する技術力が軽視され、年に1回しか走らない探傷車による測定値だけが尊重されている実態が明らかにされている。だが、その探傷車も全くあてになるものではないという。

技術力の崩壊!

▼私たちが見ても、「これはヤバイぞ」と思うのに機械には出なかったり、誰が見ても、こんな小っちゃい傷なんか数値が出ないと考えるのにCランクという測定値が出たりということがある。
▼01年10月から02年3月にかけてメンテナンス新体制が敷かれ、ガラッと変わった。保守する側とパソコンで管理する側だけ。それ以降事故が増えた。私 たちは乗り心地いい線路にするために「拝見」といってレールをのぞいて、長年の経験でそこの通過トン数によって、レールを上げ砂利を詰める。こうすること で、重い列車が何本が通過すると、きれいにおさまる。それが私たち技術屋の技術なんです。それが否定された。工事直後の検査で、基準の数値内におさめなけ ればならないからです。
▼JR本体の人数がメンテナンス新体制で約半分に減って、それが下請けや孫請けにいき、線路を維持しているという状況になっている。私らは孫請け会社の人 たちがどういうふうに仕事をしているか、ややもすると見えなくなる。そうするとパソコンで線路を直しているような錯覚に陥る。
▼ベテランの技術屋はあと5、6年たてばいなくなる。列車巡視のときに運転士と話すと、ベテランの運転士もあそこが悪い、ここが悪いとわかっている。(今 は)そういう技術の継承がなんにもない。とにかくマニュアル通りに運転する。JRの対策は「揺れますから注意して下さい」と車内放送をするだけです。
────と。

車両の軽量化!

また、車両の軽量化がレールに与える影響も、保線側からも次のように語られている。
▼(車両の軽量化によって)レールに不自然な力が加わって変な減り方をするんです。特 にカーブでは金属の粉がすごくて、一面銀色についているところもある。こんなことはいままでなかった。
▼本来ならレールの内側が平均に磨耗していく。それが、表面がボコッボコッとなる。車両が軽くて力があるから、スタートする時に車輪が空転することがあ る。空転することによって摩擦が生ずる。いまの車輪は固くしているからレールを削ってしまう。車両の軽量化によってレールが部分的にえぐれるようになって いるというのが実感です。
───等々。
このままでは、日本でもイギリスのハットフィールド事故と同じことがおきる。2000年、ロンドン近郊のハットフィールドで、死者四名を出す列車脱線事故が起きた。事故の原因はレール破断だった。
今年の1月7日の稲毛~西千葉間のレール破断では、割れ口の幅は約20㎜。完全にレールが分離した状態だった。しかし千葉支社は、この破断した線路の上を、「閉そく指示運転(速度15㎞以下)」で列車を走らせたのである。

安全運転闘争へ

以上のように、保線のベテラン労働者は、その実態を告発している。われわれは、運転士の目、その感覚によって走行区間の危険を察知す る。保線の労働者も同様にレールの危機的状況を感知している。闘いなくして安全なし。運転保安確立に向けて、安全運転闘争、06春闘ストライキを貫徹しよ う。満を持して闘いに起とう!