11・3全国労働者集会への
国鉄1047名解雇撤回・動労千葉最高裁闘争支援要請のメッセージ
最高裁宛署名運動呼びかけ人
高知短期大学名誉教授 芹澤 寿良
国鉄労働者1047名の解雇反対闘争は、1980年代に入って以降、国鉄の分割・民営化のなかで、大量の人減らし「合理化」が推進され、1987年に強行された解雇通告を拒否した労働者とその関係労働組合、支援運動が開始し、今日まで裁判闘争として続けられている歴史的な闘いであります。
当初は、国鉄労働戦線の分散状況から、反対闘争も共同、統一の闘いとなりませんでしたが、「四党合意」による集結を拒否した国労闘争団員が裁判闘争(鉄建公団訴訟)に立ちあがり、続いて全動労、国鉄千葉動労も提訴に参加する情勢となって、2005年7月の学者・文化人が呼びかけた「大同団結」のアッピールに応えた被解雇労働者、関係労働組合、支援組織の共同全国集会が開催されました。
そうしたなかで、2005年9月、東京地裁は、「解雇無効」とはしませんでしたが、裁判所として、はじめて被解雇者のJR不採用自体を「不当労働行為」と認定する判決を出したのでした。しかし、この初めての判決を契機に、運動の新しい情勢が生み出され、2006年2月に「被解雇者1047名連絡会」という当事者間の初めての共同行動組織が結成されて、運動の強化、発展への期待が広がり高まっていきました。
ところが、間もなく鉄建公団訴訟の控訴審(東京高裁)の段階で、国労、全動労とその両闘争団による「四者四団体」は、「政治解決」と絡めた裁判闘争という路線に立って、そこから「解雇撤回」を基本的要求として堅持する国鉄千葉動労を無視、排除する姿勢を示して、同労組の抗議にも係わらず、「被解雇者1047名連絡会」の具体的な活動を休止状態にし、再び分散した闘いへ後退させてしまったのでした。
しかし、その「政治解決」路線は、東京高裁裁判長の「早期解決」の要望に沿って、約1年、国労委員長と国鉄共闘会議議長を窓口に、経過非公表のまま取り組まれたものの、「雇用ゼロ」の回答で打ち切られ、「四者四団体」は全動労の反対を押し切って、2011年6月にそれをやむなしと受け入れ、組織自体を解散してしまったのです。全動労もその後独自の団体交渉権を行使してJR北海道で雇用関係での僅かな成果に留まり、2012年3月には闘争を集結させています。
以上のような経過のなかでも、国鉄千葉動労は、2004年12月27日に国鉄労働者1047名闘争の一環として被解雇組合員9名の解雇撤回を実現すべく東京地裁に提訴して以降、9年間、「解雇撤回」の基本要求を揺るぎなく堅持して地裁、高裁と闘い続けて、そして今日、国鉄闘争唯一の組織的な裁判闘争として残された最後の合法的な闘いの場である最高裁における闘いに臨むことになったのであります。
国鉄千葉動力車労働組合、鉄建公団訴訟原告団、同弁護団、国鉄闘争全国運動が一体となった体制と4万4555筆の署名運動を背景とする闘いが、2012年6月の東京地裁判決で、そして去る9月25日の東京高裁判決でも採用差別=解雇を明確に不当労働行為とする判決をださせています。この判断自体が重要な成果であることはいうまでもありません。しかし、「不当労働行為」であれば、制度の労働基本権擁護の本質、機能から当然「原状回復=解雇撤回・JR復帰」となるべきものを「慰謝料」の金銭的解決にとどめて、筋の通らない実態を無視した屁理屈で「解雇」を正当化しているところに裁判所のあくまでも国鉄分割・民営化の国策を擁護しようとする根本的な政治的反動性があります。
国鉄千葉動力車労働組合が、他組織の「政治解決」路線に与することなく「わが道を行く」とする裁判闘争路線を支持して結成された「国鉄闘争全国運動」は、今日の全国集会を、新たな10万人署名で最高裁・解雇撤回判決をめざす総決起集会として成功させたいとしています。
本日は、「今こそ闘う労働組合を全国の職場に!」をメインスローガンに、国鉄1047名解雇撤回!JRの業務外注化阻止!をはじめ安倍政権による改憲阻止、原発全面再稼働、労働規制緩和との対決を焦点とした集会となっています。
国鉄1047名解雇撤回の最高裁闘争がどのような展開となるのか、現段階では分かりませんが、国鉄千葉動労、原告団、弁護団、国鉄闘争全国運動の関係者間で周到万全の準備が進められていることでしょう。最高裁闘争で不当労働行為の確定と解雇撤回をかちとるためには、この闘いの意義と内容、問題点をさらに広く労働者と国民各層に知らせ、最高裁への解雇撤回判決を求める新たな10万筆署名運動を成功させ、提出していくことが必要不可欠です。
衆参両院の絶対多数体制を背景に安倍政権は、平和、人権、民主主義の現行憲法体制を破壊し、「戦争のできる体制づくり」の攻勢を強め、一方それに対する国民各層のさまざまな抗議、抵抗、闘争も中央、地方の全国各地で広がってきています。こうした闘いと連帯して進められる国鉄労働者1047名解雇反対の最高裁闘争が、今日の日本において、労働者の人間の尊厳と権利を守る重要な闘いであることから、当面の新たな10万人署名運動の成功に全面的なご協力をいただくことを強く訴えるものです。
11・3全国労働者総決起集会へのメッセージ
星野文昭(徳島刑務所在監)
労働者人民の怒りは根源的で非妥協的
今は、まさに回天の時です。
資本が労働者から搾取して成り立つ資本主義が、資本蓄積して金融資本・大独占が支配する帝国主義となって、二度にわたって大戦で世界を破壊し、戦後的発展の行き詰まりを、労働者の既得権を奪い、犠牲にする新自由主義で突破しようと引き起こした歴史的過剰資本による大恐慌・大失業・戦争の時代を前に、金融資本・大独占の利潤をどこまでも貪るために、労働者人民の権利など無いかのように職場・生活・生命を破壊することへの労働者人民の怒りは、根源的で非妥協的です。
「放射能を完全にコントロールしている」など安倍が真っ赤なウソを重ねていることへの怒りはますます激しくなっています。
労働者の団結した闘いで新自由主義を粉砕しよう
そしてこの攻撃が、体制内指導部によって強行されていることへの怒りは、全産別に広がり、動労千葉・動労水戸・国鉄を基軸とした闘いに揺さぶられ、4月ストに決起した自治労はじめ全産別、三里塚・沖縄・全闘争において真に闘う道を求め、階級情勢を一変させています。
生産を担い社会を動かし全てを生み出している労働者が団結し闘うことで、これらの新自由主義攻撃を粉砕し、職場も地域、世の中も、資本・権力から支配権、全てを奪い返し、誰もが人間らしく生きられる社会、人間本来の社会を実現する、そのような動労千葉・動労水戸を先頭とした階級的労働運動が一気に全ての職場・地域、全世界で労働者人民の心をつかみ、決起をかちとる情勢に入っています。
このことに確信をもち、その先頭に国鉄・反原発、星野・沖縄・三里塚の闘いがあることに、不動の確信をもって闘いましょう。
共に闘い、団結を力に勝利しよう
そして、無実での39年無期攻撃を、この階級的労働運動・国際連帯の闘いと一体に闘うことで打ち破って、絆・愛、絆・団結を拡大していく、それによって全証拠開示、再審・釈放をかちとろうと9・8をもバネに闘う星野闘争もまた、全ての労働者人民に希望と力を与え、共に決起をかちとるものとしてあります。
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