DC通信No.160 2011/6/5
DC通信目次 

国鉄闘争全国運動6・5大集会 共同宣言


  私たちは昨年6月、「国鉄闘争の火を消してはならない」と訴え、国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)を立ち上げました。
 昨年4月9日の「政治解決」は、民営化や国家的不当労働行為による国鉄労働者の大量解雇、吹き荒れた労組破壊攻撃の社会的・法的責任を不問に付して、労働者の権利を抹殺しようとするものでした。
 1047名解雇撤回に向けた24年間の囲いは、国鉄分割・民営化から始まった新自由主義攻撃への対抗力を形成してきました。それがこのような形で旗を降ろしたとき、労働者の権利、労働運動の未来は一体どうなるのか。私たちの訴えの根底にあったのはそうした時代への危機感でした。実際、国鉄分割・民営化以降生みだざれたのは、「労働運動の不在」と言うべき現実でした。その下で膨大な労働者が非正規職に突き落とされ、社会そのものが壊されていったのです。
 それから1年。全国の仲間たちの努力によって、「国鉄闘争の火を消すな」の訴えは大きく広がり始めています。40の地域や職場に全国運動の地方組織や支援する会が結成され、新たな闘いが根を張り始めたのです。動労千葉はこの1年、何度ものストライキに立ち上がり、10年間に及ぶ攻防の上に業務の全面的な外注化攻撃を阻止し、その闘いの渦中で組織拡大を実現しています。国際的な連帯の声も大きく広がっています。
 一方、国労は「和解」した途端に連合加盟への意志を表明し、今年7月の全国大会では、規約改「正」によって解雇者の組合員資格まで剥奪し、「年度内」と言っていた「雇用問題の解決」も放棄して労資協調路線に転落しようとしています。
 戦後、つねに労働運動の中心にあって全体を牽引してきたはずの国鉄労働運動が自らその誇りを放棄しようとしているのです。こうした現実を見たとき、国鉄闘争全国運動は、もう一度階級的労働運動を再生していこうという展望の下につくりあげてきた橋頭堡だといえます。
 こうした状況の中、3月11日、東日本大震災が発生し情勢はさらに一変しました。地震が引き起こした恐るべき事態の多くは、新自由主義によってもたらされたものです。地方自治体の解体と財政破綻、公共インフラの民営化による解体、公務員労働者の際限なき削減など、国鉄分割・民営化以来四半世紀におよぶ新自由主義政策は、災害に対する抵抗力を奪っていました。とくに打ち棄てられた地方では大震災を決定的に破局化させました。さらに原発事故は、「絶対安全だ」「地震対策は万全」と言って原子力政策を推進してきた社会の仕組みが嘘に満ちたものであったことを暴きだしました。政治家、官僚、財界、御用学者、労働組合、マスコミ、裁判所などが「国策」の掛け声とカネの力の前に手を結んで真実を隠してこの現実を招き、それでもなお「直ちに健康に影響を与えるレベルではない」と言い続けているのです。起きていることは、まさに資本と国家による犯罪です。
 被災地をはじめ全国で放射能汚染による生命の危機と大失業が襲いかかろうとしています。すでに数十万の労働者が職を失って路頭に迷い、被災地の悲惨な現実を口実として政府の号令一下、公務員労働者の賃金が削減され、農・漁業は壊滅的な打撃を受け、子どもたちが日々高濃度の放射線によって生命の危機にさらされ、さらに加えて大増税や社会保障制度の解体が襲いかかろうとしています。
 怒りの声は社会の隅々まで積みあがり、デモとなり、政府や東電への抗議行動となり、生き抜くための闘いとなって燃え上がろうとしているというのに、その一方で、労働運動の深刻な危機が生まれています。労働組合はこの現実に抗議の声すらあげようとせず、「復興」の名のもとにナショナリズムや挙国一致が煽られる中、いっさいの闘いが放棄され、階級的視点が解体されようとしています。起きているのは戦争にかり出されるのと同じ危険な状況です。今こそ、国鉄闘争全国運動の本格的な発展が求められています。
 国鉄闘争全国運動が追求してきた課題がより普遍性化し、より切実に求められる時代がやってきました。私たちがこの運動で目指してきたのは、労働運動の後退・権利喪失の原点となった国鉄分割・民営化を絶対にあいまいにしないこと、全国の労働者の階級的団結をつくりだすこと、どんなに小さな芽であっても現場からの自主的な闘いを組織化すること、そして不当解雇された労働者たちを支えることです。労働運動の復権こそがこの時代に求められています。私たちは、それがいかに困難な課題であっても、確信をもってこの道を進むことを決意しました。国鉄闘争の火を消してはならない、1047名解雇撤回、新自由主義・震災解雇と闘う反失業大闘争をつくろう。全国の職場・地域に国鉄闘争全国運動を組織し、階級的労働運動を復権しよう。

2011年6月5日
6・5大集会参加者一同



DC通信目次 DORO-CHIBA