DC通信No.62 04/11/28
韓国ゼネスト局面

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韓国の労働者の闘い(11月)

動労千葉国際連帯委員会

26日、全国398事業所が参加…イスホ「政府・与党、われわれの闘いの前に立ちすくむ」

●民主労総全国16万労働者、ゼネスト突入(レイバートゥデイ11月26日付)

 26日、民主労総が非正規改悪案廃棄などを要求して時限ゼネストに入った。13日の産別連盟と地域本部に加入する労組398事業所、計16万人の組合員がゼネストに加わったと民主労総は暫定集計している。
 ウルサン地域は、ヒョンデ自動車労組、ハニル理化、セジョン工業など19事業所、3万1千人がストに突入し、京畿(キョンギ)地域では22事業所、2万4千人の労組員がこの日午前10時、事業所別にストに入ったと伝えられている。
 プサンの場合、金属連盟傘下のハンジン重工業とキア自動車労組整備・販売プサン支会、ヒョンデ自動車労組整備・販売プサン本部、BM金属など15事業所、3千人が参加したものと把握されている。
 インチョン地域も、金属連盟の事業所を中心に8事業所、1100人の組合員がストに入り、全羅北道地域では26事業所、6千人余りの労組員が時限ストに参加したと伝えられている。
 一方、この日午後、全国23地域で「民主労総ゼネスト1次決意大会」が開催される予定。
 民主労総のイスホ委員長はゼネスト突入に関連し、「政府と与党は民主労総70万組合員と1千5百万労働者の要求の前に立ちすくんでいる」とし、「われわれは今日、ゼネストを通して一層強力な闘いを開始しなければならない。したがってわれわれのゼネスト突入は、勝利を確定するためのもの」だと強調した。
 イスホ委員長はまた、「ゼネスト突入に続いて、最も強力な団結と最も効果的な闘争戦術を通して勝利を確定さてゆく計画」だとし、今後の闘争計画も明らかにした。
 民主労総は29日の国会常任委員会に合わせて全国の単位労組代表者と首都圏幹部が参加する大規模国会抗議闘争を展開する方針だ。国会で非正規労働法改悪案などを強硬処理することが確実視された場合、来たる12月2日に第2次ゼネスト闘争に突入する計画。
 民主労総はまた、鉄道労組、民主タクシー連盟、貨物統合準備など運輸共同闘争本部とともに闘争の強度を高めてゆく方針。

ゼネスト局面、労政交渉は不透明…29日、環境労働委に合わせ闘争本部会議予定

 民主労総が、政府の非正規法案に対し26日午前10時から6時間の時限ゼネストを行うことを決定した。民主労総は25日、「ゼネスト突入記者会見」を行い、こうした内容を核心とするゼネスト闘争指針2号を発表した。

 民主労総は24日午後、非公開で開かれた闘争本部代表者会議の場で、ゼネストのレベルを論議した結果、当初決定した「26日から無期限ゼネスト」の方針を修正している。最近ヨルリンウリ党のイブヨン議長が、非正規法案に関連して対話意志を表明し、ハンナラ党も法案の強硬処理に反対する立場を明らかにし、定期国会会期内の法案処理は困難なことが予想され、闘争レベルを調整したものとみられる。

 だが民主労総は、「非正規法案が廃止されない以上、ゼネストの基調を維持する」とし、電撃的な労政合意がなされない限り、労‐政の緊張は続くものとみられる。民主労総はこの日、記者会見で「政府は相変わらず法案の正当性を主張し、今会期内に処理することを主張しており、国会も常任委上程の日程を取り消していない」と述べ、「厳しい現実に比して、(与野党の)約束の重みは軽い」としてゼネスト突入を宣言した。

 これにともない、国会常任委での論議よりも前に始められる26日のゼネストは警告ストの性格を帯びるものとみられる。民主労総は26日、ヒョンデ自動車、キア自動車労組を含め、化学繊維、民主タクシー、事務金融、公共連盟、保健医療労組など16万5千人がストに突入し、他の組織も、総会、早退などを通してスト集会に参加するだろうと明らかにした。

 民主労総は26日、国会前で首都圏の組合員が終結するなか、ゼネスト決意大会を行うなど、全国20地域で一斉に大規模集会を開催する予定。

 また、国会環境労働委が開かれる29日には、全国の単位労組代表者と首都圏の幹部が参加する大規模決意大会を国会前で開催し、闘争本部の代表者全員は常任委傍聴闘争を展開する。だが、政府の態度に変化がない場合、29日の闘争本部代表者会議を経て、来月2日にゼネストに突入するか再び決定するとの立場だ。

 このことに関連し、民主労総が青瓦台と国務総理、与野党に要求した「集中交渉」が実現するか注目される。だが、労働部と大検察庁がこの日、「不法ストに対する厳正対応」の方針を強調し始めたことを見ると、ゼネスト局面で公式の交渉テーブルが設けられるのは難しいものとみられる。ただ、法案処理の日程が年を越した場合、政府との間で非正規法案をめぐって対話する可能性が高まるとの見方が支配的だ。


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