DC通信No.49 04/09/18
プロ野球ストライキによせて

DC通信目次 

プロ野球ストライキについて、動労千葉を支援する会ニュース159に掲載された組合員の投稿を転載します。

プロ野球ストライキによせて
選手あっての野球、労働者あっての社会

  動労千葉組合員   白井敏行    

 社会的関心を集めているプロ野球選手会のストライキについて、動労千葉の組合員として感じていることをのべます。
 野球ファンではなく労働者の立場として今度のストライキを見るならば、まさに歴史的快挙ではないかと思います。
 「ストライキ」という言葉が日本社会全体に氾濫し、ストに突入するのか否かに大きな関心を集めています。
 「労働組合」「ストライキ」「団体交渉」「不当労働行為」という言葉が連日マスコミに登場し、ストライキという言葉の意味も知らなかった多くの若い人が、労働組合とは何か、何のためにあるのかを知ったのではないかとおもいます。
ここ10年は、 ストライキというと、多くの人は「千葉動労」をイメージしました。現に選手会のストが話題になり始めた8月中旬、『週刊プレーボーイ』の記者が組合本部に来ました。「ストのエキスパートである動労千葉から、古田選手会会長にストの心構え、闘い方をアドバイスしてほしい」という取材内容です。 
 多くの野球ファンは、「たかが選手が」という球団オーナー側の思い上がり、球団合併と一リーグ制に怒っています。しかし野球ファンでもなくても、多くの労働者は今回のストについて圧倒的に支持しています。リストラや首切り、賃下げの攻撃が吹き荒れているにも関わらず、たとえ労働組合があっても何一つまともな抵抗もできない労働者達は、年俸制で激しい競争社会の選手達が、「年俸が削られるが、球界全体のため」と選手だけでなく球界で働く労働者全体の問題として受け止め、労働組合として団結し、ストを対置し闘っている姿に感動し、我が身に置き換えて、拍手喝采しているのではないでしょうか。  ところで、連合や全労連は、今回の選手会のストライキに支持の声明をだしています。労働組合のナショナルセンターとして当然かもしれません。しかし多くの労働者は、「何がスト支持だ」と思ったのでは。会社が大もうけしているのに賃上げ要求もださない、合併やリストラで多くの仲間が解雇されても、まともな闘いも組めない。「会社あっての労働組合」と資本の言いなりになっているのが連合傘下の労働組合の現状だからです。
 「年金改悪にはゼネストで闘う」と言っていた連合の笹森会長さん! 「選手会スト支持」を出す前に、労働組合の「プロ」として、まず連合がストをやってみろ!
 と多くの労働者は思っているのではないでしょうか。


DC通信目次 DORO-CHIBA