資料 【特別講演】 中野洋 動労千葉前委員長 「和解路線をうち破り、国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利を」

【04年度動労千葉を支援する会総会 特別講演】 中野洋 動労千葉前委員長

●和解路線をうち破り、国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利を

暑い日が続いていますけど、これも帝国主義の危機の現れだと思っています。
今、田中委員長からサンフランシスコに行って来た報告がありました。昨年11月労働者集会は、、日比谷に3000人ほど集まった集会だけど、日本でも韓国でもアメリカでも、それなりにインパクトを与えたことがはっきりしたと思います。本当の意味で、世界中の労働者が連帯して、共通の敵に対して闘わなければいけないという時期が来ている。インターナショナリズムという理屈じゃなくて、労働者の本当の心の底からそういう機運が巻き起こっているという気がします。これから日本で私たちが目指してるような、労働運動を真っ当にしようという運動も、そのキーワードの一つに国際連帯があるんじゃないかと思います。
共通していることは、一つはイラク反戦闘争です。それに対して、イラク・中東、パレスチナで自分の命を的にした激しい闘いが今でも継続しています。それに連帯して、アメリカでもイギリスでもヨーロッパでも、日本でも闘いが始まっている。国際連帯で、全世界で数千万に人びとが立ち上がっている。ベトナム反戦闘争と比較にならない規模で進行していることも事実です。そして重要なのは、その闘いの中心に、労働組合が座っているということです。
アメリカではレーガン、イギリスではサッチャーが登場して、「新自由主義」という言葉がはやりました。「新自由主義」とは、資本主義が危機に瀕したので、もっと資本主義が好き勝手にもうけるためには何でもやる。そのための国家の規制をすべて緩和する、「規制緩和」という言葉が盛んに言われました。その結果、アメリカでもイギリスでも、貧富の差が拡大し弱肉強食の時代が始まり、その基本軸に労働組合運動潰しが吹き荒れました。例の有名なイギリス炭労のストライキへの激しい弾圧と組合破壊はじめ、ほとんど労働組合が沈滞を余儀なくされた。
日本でも、国鉄分割・民営化攻撃があって、日本の戦後労働運動の中心だと言われた国鉄労働運動がたたきつぶされる。われわれの闘いで辛うじて一矢を報いる。その中で1047名闘争を中心に国労は2~3万人が生き残った。しかし総評が解散し、連合が解散する。全労連が結成される。そして、階級的労働運動という考え方、路線が全部放棄される。 それから15年たった。20世紀の最後から21世紀の冒頭にかけて、9・11反米ゲリラが敢行された。すさまじい「反テロ」の大合唱がおきた。そかし労働組合はこれに抗して再び陸続と闘う力を取り戻していくということが生まれてきている。
それぞれの国で共通なのは、労働組合を握っている労資協調の幹部、労働貴族に対して、労働組合を現場の労働者の手に取り戻そうという、組合を現場の組合員の運動に取り戻そうという運動がおきている。アメリカでは「ランク・アンド・ファイル」と言っている。一兵卒、一組合員の運動という意味です。イギリスでも、RMT(日本で言う国労)が、労働党から除名された。郵便も民営化されてが、山猫ストを敢行して勝ち戦をやっている。その結果、労働党が地方統一選挙で第3党に転落した。労働者・労働組合が見限る状況が生まれている。
アメリカでは、MWM(ミリオン・ワーカーズ・マーチ)=100万労働者行動が、ILWU(国際港湾倉庫労組)のローカル10とローカル34という二つの支部とサンフランシスコ労働者評議会が呼びかけている.。全部で10万人ぐらいの組織ですが、全米の労働組合に呼びかけてワシントンで100万人の労働者を集めようと準備が進められている。
そのスローガンは「ブッシュ打倒」であり、「ケリーもノー」です。ブッシュからケリーになっても、ケリーの方が悪さをすると思っている。ケリーは徴兵制を復活するんじゃないかと言っている。今は志願兵制度です。ベトナム戦争の時は徴兵制だった。だから、青年たちを次々とベトナムに送り込んだ。だけど、今のイラク戦争は志願制だから、兵站がすでに持たない状態になっている。イラク戦争に行っている人たちはみんな貧しい人で、その多くがアメリカの市民権を得るために戦争に行くと言っている。そういう状況を打開するために、ケリーは徴兵制を敷くだろうと言っています。だから、「ブッシュ打倒」であり「ケリーもノー」であると。アメリカのナショナルセンターである「AFL-CIO」は民主党支持、ケリー支持だから恫喝と妨害をやってが、これを跳ね返し陸続と決起が始まっている。
それに比べ発想が小さいが、日本では今年11月7日に日比谷野音に5000人は集めようと、本当は東京に100万と言いたいけれど現実離れしているので、まずは日比谷を満杯にしようと考えています。
動労千葉はわずか500人の労働組合です。だけど、アメリカではもう、「おれは日本に行く」と11月集会に参加すると言っているわけです。組合冥利に尽きます。それだけで騒いでくれている。やはり去年の11・9集会に彼らはなんらかのものを感じてくれた。韓国の民主労総も同じです。
それにひき換え、日本の労働組合はまだ、動労千葉プラス周辺がけっこう空気入っているけれど、周りはシラッとしているように見える。だけど実際はそうじゃない。やはり日本においても、去年の11・9をきっかけとして、大きな波紋が広がりはじめている。
ストレートに動労千葉のような「過激な」組合と一緒にやるという組合は少ない。だけど、あのように闘おうという気運が生まれてきている。3月に起きたの東京の高等学校の教職員たちの日の丸・君が代不起立の決起です。僕はあの時に思いましたそれが、日本の労働運動の中でもある種の地殻変動が開始されてきている。その象徴が東京の教育労働者の決起です。
連合が89年に結成されて以来15年、日本の労働運動は大きく後退と沈滞を余儀なくされてきた。この過程で、どれだけ労働法が改悪され労働者の権利が侵害され、どのくらい低賃金になったのか、どのくらいリストラされたのか。昨日の新聞に出ていましてけど、自殺者が3万4000人で、その多くがリストラなどを苦に死んでいる。
実を言うと、僕は教師はダメだろうと思っていた。先生という名の付くのはろくなのがいないと思っていた。まして石原みたいなファシストが日本の首都の知事をやっている。そのあたりの軍歌を鳴らしている右翼とは訳が違う。権力を持ってやりたい放題をやっている。その石原が戦前と同じように、“『日の丸』を仰ぎ見ろ、『君が代』を歌え、言うことを聞かなかったら処分する”と「10・23通達」を出した。教師はみんな吃驚してなにもできないんじゃないかと。確かに「予防訴訟」をやったけど、僕は「この日和見主義者め」と思ったね。起立しないで歌わないと処分されるから、まあ「私たちは闘っている」という姿勢だけ示して実際上はやらない。だけど、実際上は闘いに立ち上がった。これが大変な影響力を持って、地殻変動が教育労働者から始まった。おれがダメだと思っていた教育労働者から始まったから、僕が期待している労働者はもっと立ち上がるんですよ。
ただ単に「日の丸・君が代」闘争と言っているけれど、昔みたいに、「日の丸」を掲げたら誰かが降ろしちゃう、というようなイデオロギッシュな闘争じゃないです。今の教育労働者は、心身をすり減らされるほどこき使われている。上から強制されるし、仕事は大変だし、みんなボロボロになって、50才を過ぎたらみんな辞めちゃう。だから今は新規採用が多い。「少子高齢化」なのに教員の就職は多い。いかに多くの教員が辞めているか。 われわれは、合理化反対とか、人をもっとよこせとか要求する。教師は「君が代」不起立闘争で決起する。これは、「教え子を戦場に送るな」というスローガンをいまだに掲げている日教組のおもしろいところだ。この闘いは間違いなく、今年後半から来年にかけて日本の労働運動の中心軸に座る。そして非常に多くの決起が生まれてくる。
確かに今の日教組も今は若い人が加入しない。この間まともな闘いをやってこなかったので日教組に魅力がないから。もう一つは、青年教師たちは思想教育をやられているんだ。「おまえらは組合に入ったら」なんてことやられているんだ。それに日教組が反撃できていない。しかし、いったん抑えられているものが吹っ飛んだら、みんな日教組に入ってくる。いい教育をやるためには、各学校に全部日教組がいなければダメだよ。全分会を日教組が支配する。組合が強くなかったら、いい教育ができるわけがない。先生が心身ともにボロボロでいい教育ができるか。
いずれにしても、こういう運動が今年の前半に出てきたし、これは今年の3・20イラク開戦1周年で、東京・日比谷に6万、日本全国で50万とも100万とも言われる労働組合を中心とした決起が久方ぶりに生まれたということと、水脈は一致しています。

私たちはイラク戦争反対・有事法制反対闘争もやってきたけれど、その中で大変な反動も生まれてきている。たとえば、有事法制反対闘争を担ってきた20労組に対する激しい反動攻撃がかかっている。これは権力、資本、それと日本共産党だね。共産党は内部から闘いをどうやって抑えようかと必死だ。それと対抗する闘いも一方で生まれてきている。今日、中心的に述べる国鉄闘争もそうです。国鉄闘争も反動も生まれてきている。
今は帝国主義の危機の時代でしょう。危機の時代には必ず労働者は立ち上がる。これは動だ。動に対して反動が生まれるのは当たり前なんだ。反動といのは、敵が攻撃をかけるのも一つの反動だね。だけど味方の中からも反動が生まれるんだよ。そういう攻撃に呼応する内部からの反動が生まれるんです。この両方をちゃんと見据えて闘うためには、今の時代をきちっと認識して、労働者とはどういう路線で、どういうふうに進まなければいけないのかをキチッとしないと、見誤ってしまう。現に国鉄闘争を見ればそのことは明らかです。
今の情勢の特徴は、日本の労働者の中に間違いなく分岐が始まっている。流動情勢に入っている。そして、再編・高揚過程に入ってきている。高揚といのが重要なんだな。要するに闘いに立ち上がろうという動きが随所に生まれてきている。分岐・流動だけでは困る。分岐・流動が右に行ってしまっては困る。この分岐・流動が左に行くという状況に入ってきている。このことをちゃんと押さえなければいけないと僕は思っています。僕の四十数年間の労働運動の歴史の中での経験から言って、そういう状況だと感じます。ひしひしと僕の脳味噌に響きます。
今年の参院選の結果を見てもそうでしょう。今回初めて、議席数でも民主党が上回った。政党支持でも民主党が上回った。おもしろいのは、民主党がなぜ延びたのかという設問に「自民党が悪いから」といのが73%。つまり、民主党がいいからと言ったのはあまりいないんだよ。自民党があまりにも悪いから民主党に入れたと言っているんだよ。もう一つ、自民党の支持率が下がって、民主党の方が上にもかかわらず、「小泉政権が継続した方がいいか」という設問に対して、56%が続けた方がいいと言っている。つまり分岐している。こういうのを分岐・流動・再編と言うんだよ。だから、この時に求められているのは何かというと、本当に韓国みたいに新しい労働者の党をつくる以外にないんだよ。日本の労働者の受け皿がないんだ。この人に投票しよう、この党こそおれたちの党だ、といのがない。それがないから民主党に入れているだけの話なんだよ。自民党では悪い方向にばかり向かうわけだから。有事法制は通すし、年金法は改悪するし、もう教育基本法を改悪する。これは改悪と言うより、教育基本法をなくすと言った方が正確だね。教育基本法抹消だね。労働法制もぶっ壊す。それと改憲でしょう。
来年の05年は、敗戦60周年、自民党結党50周年です。05年に向けていったい何が起こるのか。そういう時代をちゃんと認識すると、今起こってきていることが分かるんですよ。

以上の立場で、国鉄闘争について言うと、去年12月に1047名採用差別事件の判決が出た。最高裁の判事が3対2に分かれて、簡単に言うと「JRに責任はない」という判決を下した。却下したわけだ。これは中央労働委員会の命令をめぐる行政訴訟の判決です。国労本部などは、「これで国鉄闘争は法的には判断が下された」と考えている。判決から半年余りたって、なんとか1047名を団結させて、オーソドックスに争議の基本を踏まえて闘っていこうという動きも、一方では起こってきた。それが4月13日に1047名の解雇撤回・JR復帰を求める集会が日比谷公会堂で行われて、ここに3000名以上が結集した。
それから数カ月もたたない今日になって、またガラッと変わってきている。国鉄労働組合が8月26~27日に全国大会を開く。それに向けて、この「1047名陣形」を大きく右から打ち砕くという策動が非常に表面化してきています。これは、本質的に言うと、要するに1047名闘争を「政治的に解決」する、「和解」で解決すると言うと聞こえはいいんだけど、実際上は、最高裁でも負けて、みんな年を取っているから、もう15年もたっているから、早く収拾しなければまずいんじゃないかという、「早期収拾願望」が非常に強いですね。そういう方向で動き出してきているのが今の特徴です。
国労が7月1日に、「7・1アピール」を全国大会に向けて発表したんです。そこで「大同団結」をうたっているんだけど、大同団結を崩したのは国労本部でしょう。つまり、4党合意を採用したから、国鉄闘争の陣形が分裂したわけです。その国労本部が「大同団結」を打ち出してきた。国労本部の委員長は酒田だけど、東京地本の委員長をやっている時に、一昨年の5月27日の国労臨時大会をめぐって、自分たちの組合員を警察に売り渡したやつだ。5・27臨大闘争弾圧の張本人です。この酒田が全国大会を前にいろんな画策をしている。それに共産党が合流している。
つまり、1047名の大同団結、(1047名はみんな解雇者ですから団結するのは当たり前です。逆に言うと、今まで1047名が団結していなかったということです。)団結をかちとって足並みをそろえてやるという構造に対して、それはまずいと思っている連中がいて、いろんな反動が生まれてきている。
ちょっとさかのぼると、例えば3月20日の国際反戦集会も日比谷を満杯にしようとなったわけです。考え方の違いをのりこえて、「日比谷に10万人を集めよう」というの共通スローガンになった。だけどその当時、共産党系の全労連は芝公園で集会をやったわけです。その半分ぐらいは日比谷にデモで来たから、まあ大統一戦線が形成されたからいいじゃないかと思っていたけれど、やはり、その根っこがあって、有事法制の時も、例えば6月4日に20労組で集会をやると言ってたのに、直前に20労組がやめると言ってきたわけだ。20労組の中の最大勢力である全労連傘下が参加しないと言い出した。そうすると6月4日の日比谷野音の集会は閑古鳥が鳴いちゃうからと言って、6月10日に屋内集会に変わったわけです。こういうことが現実に起こっている。全労連系は6月2日に集会をやったわけです。
この流れと、今度の1047名闘争の流れを見ると、その核心は何なのかと言うと、彼らの言葉で言うと「トロツキスト」「過激派」と一緒にやりたくない、排除するというこだね。こういう左の部分と一緒にやっていると、簡単に言うと、票が減ってしまうということだね。こういう連中となるべく一緒にやりたくないと。だから、共産党を見てご覧なさい。今年の1月に綱領改定をした。「労働者階級」という言葉が全然出てこなくなった。「労働者階級」という言葉がないのは、それは共産党の勝手だけど、だったら、「共産党」という名前をやめろということだよな。共産党といのは共産主義者の党でしょう。コミュニスト・パーティーが労働者階級という言葉を使わなかったら、やめればいいんだ。労働者がいい迷惑をするから。だけど、彼らはそうやって右に寄せれば何とかなると思った。 しかし、今回の参院選の結果を見れば、いくら右に寄せても共産党は票が減った。13議席から4議席になった。そうなるのは当たり前なんです。今は、そういう時代じゃないんだよ。右に寄せるんじゃなくて、今の情勢に対してどうするべきかをみんな求めている。共産党は資本主義社会を打倒して革命を起こそうと言うべきなんです。小泉は「改革しよう」と言ったわけでしょう。中身は分からないけれど「改革」してくれると思ったから、80%もの支持を得たわけだよ。それも化けの皮がはがれて40%ぐらいになっているけれど。ある意味では当たり前だよ。彼の「改革」は労働者をいじめる、戦争の方向に行くということだから。こういう時に、日本の労働者の多くは、今の世の中をなんとかしなければと思っているんだよ。その時に、「今の世の中をひっくり返そう」と言うか言わないか。「ひっくり返そう」と言わないで、「なんとかうまくやろう」と共産党は言っているんだよ。うまくやれっこないんだよ。うまくやれないのに、うまくやろうなんて言っているところに、票が集まるはずがない。だけどそれが路線化されている。
一方では、弾圧問題があるでしょう。こういう情勢になれば、闘う勢力、特に労働組合を中心として激しい攻撃がかかっている。それは全世界的傾向なんです。アメリカでもそうです。なんでILWUローカル10が「100万人行動」を呼びかけたのか。02年に要求を掲げて立ち上がった途端にタフト・ハートレー法という労働組合弾圧法が適用され、80日間ストライキができない。実際上は会社側のロックアウトを理由にしてだが、これは間違いなく出来レースで発動された。あとはパトリオット・アクト(愛国者法)が9・11を契機に制定され、、労働組合の団結を禁止する。日本では共謀罪が次の臨時国会に出ると思います。職場では問答無用で賃金を下げ、リストラを行う。その結果、年金保険料を払う労働者がどんどん少なくなるから、、年金がうまくいかないのは当たり前の話だ。
そういう状況の中で、どの国でも、闘う労働組合、たいして闘わない組合を含めて、この労働組合の存在それ自身をめぐる攻防なんだ。ブッシュとアメリカの資本家たちが労働組合を撃滅しちゃう。それに対して必死に闘って、労働組合の存在を守っていく。そういう攻防がアメリカではILWUローカル10を先頭にして闘っている。だから、MWMというワシントンで100万人の労働者を集めてブッシュと対決しようという運動が生まれている。

韓国でもそうです。民主労総は、今度は民主労働党という党をつくって、10人の国会議員が当選した。間違いなく韓国の労働運動の主流派になっていく。盧武鉉はこれを放置しません。すでに鉄道の民営化が再度提案されました。第1回めは痛み分けみたいに終わった。去年、僕が韓国に行った時には、公社か公団かと言っていた。非正規雇用攻撃もどんどん拍車がかかっています。そういう闘いの渦中だから、彼らはサンフランシスコに行けなかった。8月15日には来ます。ブリッジ共闘で、ブリッジ会談をやります。それで11月集会を、去年を上回る内容を持ったものをやりたいと思っているけれど、そういう日本でも韓国でも、アメリカでも、イギリスでもヨーロッパでも全部そうなんです。労働組合の存在をめぐる攻防になっている。
労働組合への弾圧に対する闘い、労働組合の団結を守る闘い、こういうことが今、世界のあらゆる国で、イラク反戦闘争と一体となって進んでいる。アメリカの場合にはブッシュ打倒となっている。ケリー支持とは言わないから、AFL-CIOが「けしからん」と言って妨害を加えてきている。それに対抗して闘っている。
よくよく考えるとわれわれと同じです。小泉政権は、めちゃくちゃな攻撃をかけてきている。我々は、「小泉=奥田路線」と言っているけれど、今までの戦後のあり方を根本的に変えるということ。終身雇用制もダメ、社会保障制度から税制、地方自治体も全部変えるという攻撃をかけている。そういう状況の中で、それに抗して闘う。だが、やっぱり連合という巨大なナショナルセンターをなんとかしなければ闘いは進まない。進めない。連合をひっくり返さなかったら、労働者の団結はできない。そういう壁をなんとか乗り越えようと思うから、「新しい潮流運動」「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」という運動を始めた。しかし、これは一朝一夕には行かないけれど、そういう闘いを展望しない限り、なんか個別でシコシコやってもぶっつぶされる。
動労千葉だってそうだ。動労千葉は500しかいない労働組合だけど、身の丈に余るようなことを常に全国のみなさんに呼びかけてやってきているわけです。とうとう国際連帯まで行っちゃった。英語もハングルも知らないのに。俺の本が英訳されるなんて諸君たちは信用できる? 俺が信用できないんだ。なんで俺の本が英訳されなければいけないのか。今度はもうすぐハングルが出るんだよ。そのうちにドイツ語、フランス語なんて言ったら困っちゃう。そんなにつき合いきれない。外国語に長けている人たちが協力してくれないと、動労千葉はもたない。そういう時勢になっている。
国際連帯と同時に、日本全体で、あらゆる産別で起きてきている反動の嵐に対して闘う。、反動の嵐は必ず弱点を持っているんです。なぜなら、、労働者がいるから世の中動いているからだ。最大の核心は。労働者がいなければ止まっちゃう。だから矛盾は絶対に起きてくる。

話を戻すけどと、国鉄闘争の場合もそうなんです。1047名闘争解体攻撃、その核心を簡単に言うと、動労千葉を排除すること。1047名闘争の核心は、動労千葉が入っていることなんだよ。動労千葉が入らないと1047名マイナス9にしなければいけない。1047名と言えない。9人と言えども、われわれが残っていれば解決できっこないんです。絶対に。だから今まで、1047名、1047名と言った諸君だって、中には動労千葉は一生懸命闘っているから一緒にやるべきだと思っている人は半分ぐらいいる。半分はしょうがないから、1047名と言っているんだよ。動労千葉なんかとはつき合いたくないと思っている人たちが半分はいるんだから。俺は別に、つき合いたくない人はつき合わなくていいですよ。俺はみなさんがつき合ってくれればそれでいい。動労千葉とつき合いたくなかったら、「俺たちでこうやる」と言え、ということなんだ。「動労千葉のやっていることは過激で間違いだ」と言うんだったら、ちゃんとしたことをやってみろ。おまえらはガチャガチャじゃないか。国労の惨状を見てご覧なさい。あれが労働組合かと言いたくなる。分割・民営化に協力したJR総連だって、労働組合の体裁にもなっていないじゃないか。利権争いで革マルの中が分裂しちゃっている。組合員はいい迷惑じゃないか。あんなのは労働組合とは言わないんだよ。
動労千葉のことをとやかく言うんだったら、じゃあ、本来の労働組合とはこうあるべきですということを示せと言うんだよ。そういうことをしないで、人のことを文句を言うんじゃない、ということだ。いずれにしても、動労千葉をけむたがっている人たちがいっぱいいる。1047名からはずしないという人たちがいっぱいいる。
もう一つは、4党合意の時も大反動なんです。だけど、この時には、国労闘争団の中でも3分の1は猛然と反対していた。これは闘う闘争団という形をとりがら、今は鉄建公団訴訟という裁判を続けながらいちおう頑張っている。問題なのは、この闘う闘争団も下手をすると、国労本部の「大同団結」論、「早期収拾」路線に大きく絡め取られていくという動きが出てきている。この闘う闘争団を軸にして1047名陣形をつくろうと頑張ってきた人たち、この人たちもなんだか知らないけれど、これに大きく巻き込まれていく。僕は1047名闘争始まって以来の大反動が生まれていると言っているんだ。4党合意も大反動だったよ。だけどこの時は少なくとも、国労内部でも反対があった。全動労も反対だった。だから、賛成派と反対派が激突した。国労大会は機動隊まで何回も導入するという激しい対立になった。対立があるうちはまだいいんだよ。今回は、全体が総ぐるみで、何か分からないけれど「早期収拾」で行くみたいな雰囲気になっている。それで、国労の全国大会の前に、国労と全動労が品川のキュウリアンで合同集会をやる。動労千葉はお呼びじゃない。これをやって、「国労、全動労が大同団結して、要求が一致しました」と。「JR復帰も含む雇用確保」・・・JR復帰と書いてあるけれど、これは枕詞ね。JR復帰なんて天から考えていない。雇用確保だけ。後はバックペイ、賃金。年金。それから不当労働行為は慰謝料請求です。不当労働行為の責任じゃなくて慰謝料請求なんです。これで4本でまとまったと言っている。8月4日にやる集会も同じです。だから、そこに

動労千葉が出てきてもらっては困る
4/13日比谷公会堂の1047名集会の時に、動労千葉争議団の高石君が真っ当な発言をしたわけです。3分に抑えられましたけれど、「結局、解雇撤回闘争なんだから、JRを引っ張り出さなかったら解雇撤回は成り立たないんだ。だから、動労千葉は本体の組合員が春闘でもあらゆる闘争でも必ず1047名の解雇撤回を掲げてストライキに立ち上がっています」という話をした。真っ当でしょう。オーソドックスでしょう。だって資本と闘わない解雇撤回闘争なんてありますか。JR復帰と言っているんだから。JR復帰と言わなければ別だよ。どこか違うところでも行くんだったら別にJRと闘うことはないけれど、JR復帰ということは、JRでもう一回仕事をさせろということじゃないか。だったら、JRと闘わなかったら成り立たないじゃないか。JRを引っ張り出さなければダメでしょう。JRの本体の労働者が闘って、動労千葉や国労が一生懸命に頑張って闘って、JR当局が困って出てきた時に、そこで初めて、おまえら元に戻せということになるわけだよ。それをやろうと思って、動労千葉の場合には、それは解雇された人たちも大変で、頑張ってますけれど、解雇者以上に現場の組合員が頑張っているんです。物販だって、現場の組合員が中心です。解雇者もやっているけれど、現場の本体の組合員が夏と冬に毎日オルグに行っている。国労は違うでしょう。本体の組合員は何もやっていないじゃないか。それで首を切られた闘争団が必死になってやっている。
闘う国労闘争団と全動労争議団の一部の諸君たちが、動労千葉の高石君の発言に対して「違和感を覚える」と言うんだ。「あれは争議団の考え方、話じゃない」と。「ストライキだとか春闘なんて争議団の言葉じゃない」と言うんだ。動労千葉の争議団も「首を切られた人たちはもっと悩みや苦しみがあるでしょう」という話をしろということなんだな。泣き言を言えと。それは自分たちは泣き言を言ったっていいよ。泣き言が好きな人たちだから。「自分たちは何も悪いことをしていないにもかかわらず、国労に所属していただけで、首になりました」・・お涙ちょうだい。それはいいよ。そういうことが好きな人たちはやればいい。俺たちは誇りを持っている。お涙ちょうだいはしませんよ。「俺たちは悪いことをしてないのに」なんて言わない。だって、「悪いこと」をいっぱいしているもの。俺たちは正しいと思っているけれど。今の世の中から見れば、「動労千葉は悪いことばかりしている」と思っている。だから、おれたちは、膝を屈して何とかしてくださいなんて言わない。正々堂々と解雇撤回を要求する。それが動労千葉のやり方です。その動労千葉の戦い方について「違和感を感じる」というわけだ。
例えば、今度、全逓の4・28で勝ったでしょう。全逓4・28は1979年だから、25年なんです。解雇されてから25年たって勝ったんです。やっぱり、25年頑張れば、勝てたわけだ。これで俺たちも勝てると思わなければダメだ。そしたら、国労闘争団の某君が「俺は25年間もやる気ない」と言った。それは、最初から25年間やれと言うかどうかは別にして、闘いは長期にわたるんです。誰だって早期に解決したいんです。しょうがないじゃないか。相手があるんだから。今の世の中は、さっき言ったように、考えてみてください。労働者の要求なんか簡単に認めるような体制じゃないでしょう。今まで取ってきた既得権、権利をどんどん取っちゃう世の中になっているわけじゃないか。とうとう有事法制も通って、労働者の権利を保障した労働組合法まで解体しようとしてきているんだよ。その時に、超主観主義敵に、自分の方で何か要求をまとめれば、こういうふうにすれば解決すると思う方が、これは俺に言わせるとドンキホーテと言うんだよ。超主観的なんだよ。これはものすごく惨憺たる結果が生まれるんじゃないかと思う。
だから、僕は、国労の1047名闘争を頑張っている闘争団の諸君たちが全部それに賛成するとは思わない。これに対する反乱や、国労の中にだって真っ当に考えている諸君はいっぱいいるからね。彼らは反撃するとは思うけれど、いずれにしても、国労の大会をめぐって、非常に大きな反動が生まれ始めて来ている。そのラインが引かれ始めてきている。こういう状況について、当該の一つの組合として警鐘を乱打しなければいけないということで、今日は敢えて皆さんにも、そこを訴えたいと思うわけです。
だから、本当に非常に主観的なんだね。労働組合だから、和解ということはあるんです。動労千葉だって28名の公労法解雇は和解したでしょう。われわれは和解できるなんて思っていなかったから、たまたま向こうがどうですかと言うから、僕は、公労法解雇を撤回すれば和解に応じますよと言ったんです。そしたら、向こうがそうですか、と言ったから和解になっただけの話で、動労千葉の方から和解するとは一言も言わない。だから、善意の公労法解雇を撤回したわけです。両方の取り交わした文書に書いてある。これを和解と言うんだよ。最初から和解してくれ、和解してくれと言ったって、和解なんかしてくれるはずがない。そんなに甘くないんだよ。階級社会というのは。

4・28だってそうだよ。当該が頑張ったからこういう状況が生まれたんじゃないか。本山だって、30年を過ぎて、敵の矛盾が起こったから、今、和解情勢に入っている。裁判なんて全部負けている。だけど、連日、執拗に門前闘争を繰り返す闘いをやってきたから、敵の矛盾が起こって、和解ムードが出てきたわけです。敵の矛盾とは何か。これは本山資本が銀行から金を借りて、その借りた金がRCCという整理回収機構に債権譲渡しちゃった。銀行が。RCCは国家権力だから、税金を使っているわけだから、これを回収しなくちゃいけない。回収するためにいろんな方法がある。本山資本の持っている金を全部取っちゃうということがある。財産から何から。社長、筆頭株主とか、みんな調べていますよ。社長が自分の家だとかマンションを女房の名前に変えたそうだけど、もう遅い。向こうはよく知っているから通用しない。全部取られます。あと一つは、本山をどこかに売るということだよ。本山というバルブメーカーの日本でも有数の古い伝統あるバルブメーカーを買うというところがある。例えばアメリカで。それで債権を回収する。公費を投入して買った債権を回収する。これが整理回収機構なんです。その第一の最大の問題は、労使紛争を解決するということにある。つまり労使紛争があるうちはうまくいかない。だから、一気に和解ムードが出ている。本山との労使紛争を続けているうちは解決しようがないから、だから思い切って解決しようと、僕は言っているけれどね。だけど、仮に職場復帰しても、すぐに倒産争議だなと僕は言っておいたけどね。それを覚悟して戻れと。
そのうち、組合を乗っ取っちゃえという話をしているんだけど。それだって、原則的に闘ってきたからこそ、資本の矛盾が出てきた。そこで一気に和解ムードが出てきたということでしょう。
国鉄、JRの場合を見てご覧なさい。敵の矛盾は、今ははっきりと出てきているんだよね。これは、この間、動労千葉が主張しているとおりに、何よりも国鉄分割・民営化を強行したJRとカクマルの結託体制です。総評内の最強の組合といわれた動労がひっくり返ったわけ。カクマル主導で。だから、分割・民営化ができたわけだ。そいつらが、JR総連という労働組合の権力をいただいて、それでJRで働く労働者を支配していた。これが完全に真っ二つに割れた。今では本当に醜い争いをやっていますよね。嶋田派だ、松崎派だなんて言って。みんな利権争い。松崎派今や横領、脱税、贈収賄という罪名で警視庁に追われているという噂がJR総連の中で流れている。インターネットにいっぱい書いてあるそうだよ。そういう状況は、向こうの矛盾ですよ。
あとは安全問題で矛盾が出ている。だけど1047名闘争を闘っているサイドが、それを突こうとしない。敵の矛盾を突こうとしない。JR本体が闘うという意識がない。JR総連という分割・民営化の最も極悪人に対して、これをやっつける方法は、その傘下の労働者を取っちゃうことでしょう。こういうことをやろうとしない。やらなかったら、矛盾は矛盾にならないんだよ。その矛盾を突いた闘いをやっているのが動労千葉だけなんですよ。それだけじゃなくて、1047名闘争の陣形が国労、全動労、動労千葉、この3組合が団結していますか。何よりも最大の組合である国労がバラバラじゃないですか。いまだかってバラバラじゃないですか。闘う側がバラバラで和解なんか出来るわけがない。これは和解とは言わない。屈服と言うんです。闘いを自ら収拾するということなんです。そういう方向に全体が動いていて、言っている諸君は、1047名闘争を支援している人たちが、こういうことを誰かが言っているんだね。「3月に鉄建公団訴訟の判決を迎える。勝っても負けても判決を出させてはまずいんだ。なぜならば、高裁に行くからだ」と。つまり高裁に行くってことは、あと3、4年かかるということじゃないか。だから、ここが和解のチャンスだなんて、超主観的に言っているわけ。じゃあいったいその和解とは何なのかということなんだよ。何のために15年間闘ってきたんだと。何のために国労の旗を守って2万、3万の労働者が今までいるのかということ。何のために国労、あのだらしない国労を支援してきたのかということだよ。これから国鉄闘争の展望がどうなっていくのかなんて、まったくない。まったくない。やれILOがどうのこうのなんて、勧告が6月に出ましたなんて言って。勧告だって、4党合意に基づく解決をしろと言っているんだろ。そんなのは、和解と言わない。屈服と言うんだよ。残念ながら、そういう動きが、僕は「早期収拾路線」だと言っているんだけど。もう大変だと。みんな60に近いと。平均年齢が。もう何年もやってられないということが先行しちゃう。確かにそれはあると思うよ。
あるけれど、それはしょうがないじゃないか。これで少し涙金をもらったからといって、世の中にボーンと放り出されて、どこで60近いおとっちゃんの働く場所があるの? ないですよ。国労でやっていた方がよっぽど飯を食える。こんなことを言ったら怒られるけれど。本当だよ。50歳を過ぎて、20万も30万もだすところがあると思いますか。若者が今、就職難で大変なんだよ。世の中のことを何も分かっていない。なんとか早く解決したいということを、それはやっている人たちはそういう気持ちにもなるよね。それをいい気になって指導しているグループが、そういう言葉を吐いてきている。そこあたりをなんとか8月1カ月間の間で、そうとう巻き返していかないといけないと思います。

そのためには、やはり世の中が今、どういうふうに動いていて、どこに矛盾があって、労働者は今、何をなすべきかを見極めることが必要なんです。これは超主観的にやってはダメ。正しく、労働者の立場から者を見るということをしないとダメだよね。人間とは自分の都合のいいように解釈しようとする傾向があるんだよ。保守主義も出てくるし、得手勝手に。これは絶対に失敗する。一人の人が失敗するのはいいと思う。自分で責任をとればいいんだから。だけど、労働運動というのは大衆運動なんだ。そうはいかない。だから正しくしなければいけないと僕は思います。それで、そういう点で、国労の全国大会を目前にして、そういう早期収拾策動がそうとう強まっているということをはなしましたけれど、やはり、そういう場合に、当該の一つである動労千葉といのは、非常に重要な位置を占めていると思いますが、それと併せて、今の時代をきちっと認識する必要があると思っています。
例えば小泉が登場してから3年たっている。この中で、特徴は、日本経団連の会長・奥田が登場して、非常に戦後なかったことに、経団連・奥田がものすごく突出しているんです。つまり、奥田・経団連が、経済が政治をリードするみたいな、戦後今までなかったことが生まれているんです。今までは違う。今までは、経済は政経分離と言って、政治は悪いことをやっている。時々変なやつが出てきて、靖国神社参拝したりしているけれど、経済はちゃんとやっているんですよと言って、輸出入をやってもうけてきたわけです。だから政経分離。だけど今は政経分離どころか、「不即不離」でしょう。べったりくっついているばかり、先行している。今、経団連が静岡でセミナーをやっている。奥田は明確に憲法9条を変えると言い出した。明らかに教育の問題も、経団連がリードしている。こういう中で、この3年間に起こったことは、今、景気が少し良くなったと言っている。良くなったということは、東証1部上場企業の4分の1、大企業です。これだけが過去最高の利益を上げているんです。トップはトヨタ。トヨタは1兆1620億円の純利益を上げている。税金だけで1兆円近く払っている。法人税を9千何百億円。このぐらいもうけている。なぜもうけているのか。その背景に何が起こっているのか。この過程で、中書企業を中心とした企業倒産が5万7千件起こっています。この過程で中小零細企業に出していた融資、つまり融資しないからぶれているんです。この融資が56兆円も減っているんです。だからみんなつぶれちゃった。その過程で、労働者は正社員が260万人減っています。正規雇用が260万減って、非正規雇用が約200万増えています。この3年間ですよ。この過程で、日本の借金が国債を含めた借金が、実に703兆円になっている。これは6月23日に財務省が発表しているから事実でしょう。このほかにも隠れ借金がある。地方自治体の借金を合わせたら、明確に1千兆円を超えています。この中には、円高を阻止するために、ものすごいドル買いをやった金。これだけで去年1年間で30兆円を使っている。つまり、円高になると、輸出産業がダメになるから。円高を抑えるためにはドルを買うしかない。ドルを買って、アメリカの国債を買っているわけだよ。アメリカは「双子の赤字」と言って、貿易赤字と財政赤字、その赤字を日本が勝って支えている。アメリカの中でもうけたやつが日本で株を買っている。そういう変な状態の中で、今、何か景気回復なんて言っているわけ。危なっかしくてしょうがない。こういう状況が現実に行われている。
それで、今度の参院選で小泉が惨敗した。だけど、彼はますます凶暴化しますよ。この核心の一つは、今年の秋の臨時国会では、教育基本法は出しても継続審議にすると思う。勝負は通常国会だと思うけれど、労働法制は出す。共謀罪も出す。国家公務員、地方公務員の公務員制度改悪法案は全部この国会で出します。特に、郵政民営化は出します。それがいわゆる「骨太方針」と言うんだよ。最後の牙城である公務員関係は、いちおう終身雇用制で、定期昇給、ベースアップがあり、ベースアップは最近はないな。人事院勧告でやられているから。要するにいちおう安定しているわけだよ。ここをバーンとぶっつぶす。だから、本質は、日教組をつぶし、自治労をつぶし、全逓をつぶすということだよ。全逓は名前を変えて逃げまくっているけれど、それだって許さないですよ。国鉄分割・民営化攻撃を見れば分かるじゃないか。そういうことが今年の夏から秋にボーンと来る。そういう点では、4大産別と言っているけれど、国鉄、全逓、自治労、日教組、それぞれダメだけど、ここのかつて総評を担った労働組合がここで本当に生まれ変わって、闘う体制をつくれるか否かということが、日本の労働者の命運をかけていると僕は認識しています。
そういう意味で、今年、11月労働者集会を圧倒的に成功させたい。それは何はともあれ、ジャックヘイマンが来るんだから。アメリカILWUの最も中心的な左派の活動家ですよ。マルクス主義者だね。俺のこともマルクス主義者だと思っているね。『俺たちは鉄路に生きる2』を見ればすぐに分かる。だから、彼はみんなを連れてくると言っているんだよ。あんまりいっぱい来ても困るけどね。通訳する人がいないから。
いずれにしても、そういう雰囲気になり始めている。そういう時に、10月17日にMWMをやると言うんだろう。誰も行かなくていいのかという話になる。日本でも何かやろうということだよな。だってブッシュがこけたら、小泉もこけるぜ。そういうことだろう。そういう点でも、日米労働者の共通の課題なんだよ。ブッシュをぶっつぶす。ケリーが出てくるかもしれない。でもやっぱりイラク戦争をやっているブッシュをぶっつぶすことが大事なことじゃないか。イギリスではブレアがつぶれそうだ。日本でも小泉がつぶれるとなれば、少しはおもしろいことが起こる。そういうことも含めて、是非やってもらいたいと思うし、
最後に、もう帝国主義は労働者を食わせていけない。要するに、支配する側が飯を食わせることが出来なかったら、もうやめるべきなんだよ。プロレタリアート独裁というのは、労働者が支配者になるということだろう。労働者だって、飯を食わせられなかったら打倒されるんだよ。支配者は大変なんだよ。だから今、帝国主義者が一番大変なんだよ。大変だから悪いことばかりやっているんだよ。
だから、戦争をやる以外に生きていけない。どこでも戦争をやる。
だけど、それに反対して、労働者の闘いも大きく盛り上がり始めてきているということが、今の時代の三つの特徴じゃないか。さっきも言ったけど、このお天気続きだって、どっかおかしいんだよ。戦後60年たって、どこかおかしいんだよ。これは単に激甚災害なんてことをいっているんじゃナンセンスだよな。もっと科学的に考えたら、やっぱり帝国主義が悪いんだと考えなければダメ。人間が住みに耐えない世の中になってきているんだよ。人間関係もバラバラ。若い人たちは本当にバラバラになって、闘いの先頭に立たない。すべての社会運動の先頭に立たなくなっている状況とか、いろんなことを考えると、もうこの時代に引導を渡すという、そういう時代に来ている。日本も否応なしに、そういう時代に入った。有事法制が通って、あとは労働法制、教育基本法、憲法、これが行ったら、もう戦後は終わりなんだ。これはこの1~2年の話なんです。だから、今年の高等学校の先生たちの闘いはすごいんだよ。これで教育基本法反対闘争の展望が出来た。これで、後半を突っ走る。11月6日でしょう。うちは7日なんです。こうなったら連チャンでやろうと。今から空けておいて、連続して日比谷でやる。こういうふうに腹を固めて、双方を日比谷を満杯にして、なんとかこの攻撃に労働者の怒りをたたきつけるということをやりきりたい。
そのために、なんとしても国鉄闘争がなんだかんだ言っても、その中心軸を担わなければならないわけであって、この動向が全体に影響します。そのためにも、動労千葉も一休みしたい雰囲気もないわけじゃないけれど、ここまで来ちゃうと、もう一発、田中委員長を先頭に頑張る決意ですので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

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